演題

PP10-5

閉鎖孔ヘルニア嵌頓症例の臨床的検討

[演者] 金子 勇貴:1
[著者] 小泉 大:1, 下平 健太郎:1, 井上 賢之:1, 齋藤 心:1, 佐久間 康成:1, 堀江 久永:1, 細谷 好則:1, 北山 丈二:1, 佐田 尚宏:1
1:自治医科大学,消化器・一般外科

【背景】閉鎖孔ヘルニアは,嵌頓してイレウスを発症し,緊急手術の対象となることが多いが,骨盤ヘルニアのため診断が遅れることも多く,しばしば全身状態が悪い症例を認める.【目的】閉鎖孔ヘルニア嵌頓症例の臨床的特徴を明らかにする.【方法】2001年~2016年に当院で経験した閉鎖孔ヘルニア嵌頓症例28例(再発例2例含む)を対象に後方視的に検討した.【結果】全例女性であり,平均年齢は83.9歳(70~93),左右比は7:20,両側例が1例あった.Body Mass Indexは平均16.4kg/m2と低値であった.症状は,嘔気・嘔吐が19例(67.9%),腹痛が15例(53.6%),大腿部痛が15例(53.6%)であった.Howship-Romberg徴候は7例(25%)で陽性であった.全例CTにて閉鎖孔に嵌頓する腸管が確認された.徒手整復に成功した1例を除き,27例で緊急手術を施行した.手術は全例経腹的アプローチで行われ,嵌頓の解除,ヘルニア門閉鎖が行われ,腸管切除は10例(37%)で必要だった.初発症状出現から手術開始までの平均時間は全体で58.6時間,腸管切除例96.8時間,非切除例37.1時間であった.ヘルニア内容は全例小腸であった.術中観察で対側に閉鎖孔ヘルニアを認めた症例が8例(29.6%)であった.ヘルニア門の閉鎖法は対側も含めた35病変のうち単純閉鎖18病変(51.4%),メッシュ法4病変(11.4%),卵巣・卵管・子宮による被覆9病変(25.7%)であった.再発例の初回手術は1例が単純閉鎖,1例が子宮による被覆が施行されていた.術後合併症はClavien-Dindo分類GradeⅡが4例(肺炎3例,麻痺性イレウス1例),Ⅲb(肺炎による抜管困難)が1例あった.また術後の敗血症・DICによる死亡例が1例あった. 【まとめ】閉鎖孔ヘルニア嵌頓例では,術後合併症として肺炎が多いことが明らかになった.高齢とイレウスにともなう嘔吐が主な原因と考えられ,治療成績向上にはイレウスの管理と術後の肺炎治療が重要である.

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