演題

PO12-7

術前診断に苦慮し肝十二指腸間膜に発生したCastleman病の一例

[演者] 大石 幸一:1
[著者] 小野 紘輔:1, 築山 尚史:1, 下村 学:1, 志々田 将幸:1, 宮本 和明:1, 池田 昌博:1, 豊田 和広:1, 貞本 誠治:1, 高橋 忠照:1
1:東広島医療センター 外科

【はじめに】腹腔内に発生したCastleman病は稀な疾患であり,悪性疾患を否定できず手術により確定診断されることが多い.今回我々は術前診断に苦慮し肝十二指腸間膜に発生したCastleman病の一例を経験したので報告する.
【症例】32歳男性
【現病歴】時々吐き気を認め近医受診,超音波検査で腹腔内に腫瘤を認め,当院紹介受診.CT検査で十二指腸球部右側壁に接して動脈相で均一に濃染する5.2cm 大の腫瘍を認めた.MRI検査はT1で平滑筋と等信号,T2で軽度高信号,拡散強調像で高信号を呈する病変を認めた.EUSで十二指腸に隣接して境界明瞭,辺縁整な5.2cm大の低エコー腫瘤.ドップラー検査で内部に豊富な血流を認めた.PET-CT検査で腫瘍にSUVmax4.2の集積を認めた.腫瘍マーカーは正常値であった.以上より十二指腸GISTを疑い手術を行った.腫瘍は周囲臓器から剥離され腫瘍を摘出した.迅速病理検査で肝十二指腸間膜右側より発生したCastleman病と診断された.術中に採血し測定した血中IL-6は46.5pg/mlと高値であった.切除標本では境界明瞭で薄い皮膜に覆われた弾性軟の腫瘤で,割面は肌色の充実性であった.病理組織学的検査はリンパ濾胞が増生し濾胞内外の血管の増生と硝子化を認めた.胚中心は萎縮し同心円層状の被殻リンパ球層で囲まれていた.構成細胞に異型は乏しくhyaline vascular型のCastleman病と診断された.
【考察】Castleman病は原因不明のリンパ節の腫瘤形成性疾患であり,病理組織学的にhyaline vascular型とplasma cell型に分類され,その混合型も認める.hyaline vascular型で病変が限局するタイプは根治切除を行えば予後は良好である.肝十二指腸間膜に発生したCastleman病は稀な疾患であり,組織型により画像所見は多彩で典型的な画像所見はなく術前診断に苦慮することがある.本症例も十二指腸GISTが疑われたが術中迅速病理検査でCastleman病を診断された.完全切除が行われていて予後良好と思われる.
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