演題

PO10-3

鼠径ヘルニア再発症例の検討

[演者] 八木 勇磨:1
[著者] 岡 直輝:1, 宮原 豪:1, 藤本 剛士:1, 本城 弘貴:1, 林 賢:1, 山田 成寿:1, 角田 明良:1, 三毛 牧夫:1, 草薙 洋:1
1:亀田総合病院 消化器外科

【はじめに】初回の術式が多様であるため,再発鼠径ヘルニアに対する最適な手術方法に関しては議論の余地がある.至適術式を考察すべく,当院での再発鼠径ヘルニア手術の治療成績を検討した.
【対象・方法】対象は2005年8月から2016年6月までに再発鼠径ヘルニア(再々発6例を含む)に対して当院で手術を行った34例.診療録を参考し後方視的に臨床事項に関して検証・考察を行った.
【結果】男女比は32:2,年齢は中央値71(41-81)歳.再発までの大凡の期間は中央値で3年6ヶ月(直後-67年).再発の内訳は日本ヘルニア学会分類のRecⅠ型(外鼠径ヘルニア)が11例,RecⅡ型(内鼠径ヘルニア)が23例で,4例に両側再発を認めた(いずれも同型の再発形式).再発に対しての術式はTAPPが4例,鼠径部切開法が30例(mesh plug法15例,Lichtenstein法11例,Direct Kugel 1例,Tension Repair 3例). 6例で再々発を認め,再発時に行った術式別に分類するとTension Repair 3例, Lichtenstein法1例,Mesh plug 2例で,Tension Repairではすべて再々発していた.再々発以外の有害事象は認められなかった.初回手術と再手術で異なるアプローチをおこなった(鼠径部切開による前方到達法とTAPPの組み合わせ)6例では再々発は認められなかった.初回手術・再手術ともに鼠径部切開法の患者では,初回手術がmesh法で再手術もmesh法であった患者の再発率は0%/(0/11)であったのに対し,初回手術が組織縫合法で再手術はmesh法であった患者の再々発率は21.4%(3/14)と高い傾向にあった.
【まとめ】初回手術が鼠径部切開法である場合, meshが使用されていれば再度の鼠径部切開法も有用な選択肢であったが, 詳細が不明な場合や組織縫合法である場合は腹腔鏡の使用を考慮すべきと思われた. 初回と再発時でアプローチ方法を変えることが再々発率を下げる可能性があり,初回手術方法の詳細な聴取は重要である.
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