演題

PN11-6

当院緩和ケア病棟におけるせん妄患者の検討

[演者] 川田 純司:1
[著者] 荻野 崇之:1, 星野 宏光:1, 岡野 美穂:1, 金 よう国:1, 奥山 正樹:1, 辻仲 利政:1
1:市立貝塚病院 外科

[はじめに]せん妄は注意力障害と種々の精神症状を伴う中枢神経の機能障害であり,終末期悪性腫瘍患 者の50%がせん妄を体験すると言われている.せん妄は,患者の意思表示を困難にし,家族の精神的・身体的負担となりQOLを低下させるため,せん妄を予防することが重要である.今回,当院緩和ケア病棟におけるせん妄を生じた悪性腫瘍患者の検討を行った.
[対象と方法]2015年5月から2016年3月までに当院緩和ケア病棟に入院,死亡退院された悪性腫瘍患者77 例を対象とした.入院時せん妄が認められた症例と,死亡1週間程度前の時期にせん妄が認められた症例について後方視的解析を行った.
[結果]年齢の中央値は72(31-95)歳で,男女比は男40例,女37例であった.在院日数の中央値は16(1-96)日であった. 入院時せん妄が認められたのは17例であり,昼夜逆転有と睡眠不良が関係していた(p=0.0169,p=0.0191). 死亡1週間程度前の時期にせん妄が認められた症例は38例あり,身体症状の疼痛有と関係があり(p=0.0457),さらに入院前直近の採血検査のリンパ球低値とCRP高値も関係していた(p=0.0204,P=0.0005).入院後にせん妄に対する対策,予防を行うことでせん妄が改善した症例が8例あり,3例はせん妄が再燃したが,5例は再燃せずに経過した.さらに,入院時せん妄が認められなかった症例のうち,34例がせん妄を生じることなく経過した.
入院時せん妄が認められた症例の在院日数の中央値が10(3- 18)日,認められなかった症例の18.5(13-23)日にくらべて短い傾向にあった.
[まとめ]悪性腫瘍患者で緩和ケア病棟入院時にせん妄を有する患者では,在院日数も短いため,早期対応を行うことでせん妄が改善し,在院期間を延長させる可能が考えられた.
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