演題

PN11-2

悪性腫瘍腹膜播種再発の消化管狭窄に対する緩和医療-内視鏡的SEMS留置術の有用性についてー

[演者] 竹内 弘久:1
[著者] 阿部 展次:1, 近藤 恵里:1, 鶴見 賢直:1, 橋下 佳和:1, 大木 亜津子:1, 長尾 玄:1, 正木 忠彦:1, 森 俊幸:1, 杉山 政則:1
1:杏林大学医学部 消化器・一般外科

【背景・目的】悪性腫瘍の腹膜播種再発により生じた術後再建腸管の輸入脚狭窄や十二指腸水平・上行部の狭窄は,全身状態が不良な例が多く,緩和医療の観点から低侵襲の治療が求められる.我々は,これらの症例対して内視鏡的自己拡張型金属ステント(self-expandable metal stent:SEMS)留置術を試み,その安全性と有用性について検討した.【対象・方法】対象は2016年12月までに当院で腹膜播種再発による消化管狭窄症に対して内視鏡的SEMS留置術を行った4例(全例男性).平均年齢は71歳.疾患の内訳は,胃癌2例,膵癌1例,膀胱癌1例であった.前治療として胃癌2例は胃全摘術(Roux-en-Y再建),膵癌例は亜全胃温存膵頭十二指腸切除術(SSPPD-II),膀胱癌例は膀胱全摘・回腸導管造設術が施行されていた.胃癌2例と膵癌例は,再建腸管の輸入脚狭窄であり,膀胱癌例は,十二指腸水平部から上行部の狭窄であった.手技の方法は,胃癌2例は経鼻内視鏡補助下で輸入脚内にイレウス管を留置し,膵癌例はエコー下で拡張した空腸を経皮的ドレナージ施行して,盲端側減圧を行い,後日透視併用下で内視鏡的SEMS留置術を行った.膀胱癌例は経鼻管を留置し,減圧を行い,透視併用下で内視鏡的SEMS留置術を行った.手技成功率,手技に伴う偶発症,症状改善,治療有効期間(経口摂取が可能であった期間),生存期間について検討した.【結果】手技成功率は100%で,手技に伴う偶発症は認めなかった.輸入脚狭窄の全例で,胆管炎・膵炎症状の改善を認めた.全例で,経口摂取が可能になり,治療有効期間の平均値は130日であった.1例(25%)でステント留置後に化学療法が行われた.全例でステント閉塞は認めず,生存期間の平均値は152日であった.【考察・結論】悪性腫瘍の腹膜播種再発により生じた消化管狭窄に対する内視鏡的SEMS留置術は,原疾患の予後を考慮した場合,緩和医療として安全かつ低侵襲で患者のQOLに寄与する有効な治療法と考えられる.
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