演題

PN10-7

膵頭十二指腸切除術における術後早期胆汁カンジダ症と術後合併症の関連性の検討

[演者] 野島 広之:1
[著者] 久保木 知:1, 清水 宏明:1, 吉富 秀幸:1, 古川 勝規:1, 高屋敷 吏:1, 高野 重紹:1, 鈴木 大亮:1, 宮崎 勝:1, 大塚 将之:1
1:千葉大学附属病院 肝胆膵外科

術後早期胆汁カンジダ症が,膵頭十二指腸切除術の周術期合併症にどのように影響を与えるかを考察した報告は少なく,一般に不顕性感染と扱われていることが多い.
【対象・方法】2010年から2016年に当科で膵頭十二指腸切除術を行った252例について背景因子,術後胆管炎, SSI,術後膵液瘻をretrospectiveに検討した.胆汁からの真菌培養にて術後1-14日にカンジダが検出された症例を術後早期胆汁カンジダ症と定義した.
【結果】男性163例,女性89例.平均年齢67歳.症例の内訳は膵癌159例,遠位胆管癌46例,IPMN 17例,その他30例であった.胆道カンジタ症は252例中27例 (10.7%)と認め,菌種はC. albicansが23例と多く,次いでC. tropicalisが2例,C. glabrata,C.spiecesが各々1例であった.胆汁からの真菌培養にてカンジダの検出は,術後1-7日が19例,8-14日が8例であった.性別,年齢,術前胆道ドレナージの有無,糖尿病の有無,手術時間,出血量は,胆汁カンジタ症との関連を認めなかった.周術期合併症については,カンジダ陽性例 (n=27)では陰性例 (n=225)に比して術後胆管炎の発生率が極めて高く(11.1% vs. 0.8%, p<0.01), 表層性SSI発生率も有意に高かった (25.9% vs. 11.5%, p<0.05).術後膵液瘻(Grade B or C)の発生率は違いを認めなかった.
【結語】術後早期に胆汁カンジタ症を認めるような症例は,胆管炎のリスクを考慮し,胆汁培養を術後定期的におこない,カンジダを含めた起炎菌の同定に努める必要があると考えられた.
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