演題

PN10-5

大腸癌手術における切開創SSIの検討

[演者] 峯岸 裕蔵:1
[著者] 山岸 茂:1, 山本 晋也:1, 木村 安希:1, 山田 淳貴:1, 阿部 有佳:1, 中堤 啓太:1, 牧野 洋知:1, 上田 倫夫:1, 仲野 明:1
1:藤沢市民病院 外科

【目的】
大腸癌手術における切開創SSI(以下SSI)の危険因子を検討する.

【方法】
2010年4月から2016年9月までに当院で大腸癌に対して手術を施行した784例を対象とし,これらをSSI合併群と非合併群に分け比較検討した.
ただし,消化管穿孔などの汚染手術に対し一期的に創閉鎖せず局所陰圧閉鎖療法(以下NPWT)を施行し,遅延一次縫合した症例は除いた.
検討項目は,性別,年齢,BMI,喫煙の有無,併存疾患(糖尿病,高血圧)の有無,ASA,手術部位(結腸 vs 直腸),手術方法(開腹 vs 腹腔鏡),人工肛門造設の有無,手術時間,出血量,創分類とした.

【結果】
当院の SSI発生率は4.8%で,標準化感染比は0.29であった.
単変量解析で有意差を認めたものは,ASA;Ⅲ以上:17.2% vs 未満:3.9% (p<0.001),手術方法;開腹:11.4% vs 腹腔鏡:2.4% (p<0.001),人工肛門造設;有:12.8% vs 無:3.8% (p<0.001),出血量;40㎖以上:8.9% vs 未満:3.0% (p<0.001),創分類;Ⅲ以上:45.5% vs 未満:4.3% (p<0.001),であった.
これら5項目を共変量とした多変量解析では,ASAⅢ以上(Hazard比:4.831 p<0.001),開腹手術(Hazard比:3.597 P=0.050),創分類Ⅲ以上(Hazard比:8.929 p=0.002)が独立因子として選択された.

【考察】
ASAⅢ以上の症例では,厳重な周術期管理を行いSSI合併に注意する必要があると考えられた.
開腹手術症例は,近年,全体の10%程度で推移しており,今後,SSI合併率の低下が期待できると思われた.
創分類Ⅲ以上でSSIが発生したのは5例で,その内2例が消化管穿孔症例で,3例が術前膿瘍形成症例でいずれもNPWT非施行例だった.
当院では,消化管穿孔などの汚染手術では,一期的に創閉鎖せずNPWTを施行し遅延一次縫合を行っている.
創分類Ⅲ以上の汚染手術にはNPWTを用いた遅延一次縫合を徹底することにより,SSI合併率の低下が期待できると思われた.
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