演題

PN10-3

下部消化管穿孔術後の超汚染創に対するVAC systemを用いたSSI発生予防の有用性

[演者] 関谷 宏祐:1
[著者] 岡 智:1, 森下 幸治:1, 森 周介:1, 大友 康裕:1
1:東京医科歯科大学附属病院

【諸言】VACシステムを用いた汚染創に対する治療は海外で広く行われており,今後重要な役割を担う可能性がある.しかし,日本ではVACシステムを用いた術後の創傷治療はまだ一般的ではない.今回,当施設で経験した下部穿孔術後の超汚染創に対するVACシステムを用いた創傷管理を紹介する.

【対象と方法】
2007年4月から2016年10月まで当施設で経験した左側結腸,直腸穿孔に対してハルトマン手術を施行した全72症例のうち腹腔鏡手術を施行した3例,48時間以内に死亡した3例を除いた66症例を対象にretrospectiveに検討した.

【結果】
全66症例のうち,VACシステムを用いずに皮膚縫合を行い管理した58症例(非VAC群)と術後に皮膚縫合をせずVACシステムを用いて管理を行い術後5-7日間の間にdelayed skin closureを施行した8症例(VAC群)の2群間で比較した.汎発性腹膜炎患者はVAC群で87.5%(n=7)に対し,非VAC群で70%(n=40)であった.全死亡率は9.1%(n=6)であり,VAC群では死亡例を認めず,非VAC群で10.3%(n=6)であった.SSI発生率はVAC群で低い傾向にあった(37.5% vs 62.1%),入院期間はVAC群の方が,非VAC群と比べて短い傾向にあった(19.5日 vs 24.0日).またSSIを起こした群と起こさなかった群での比較では,SSIを起こした患者の方が入院日数が長く(SSI(+)13日vsSSI(-)21日),SSIを起こした症例は起こさなかった症例と比して2倍の医療費を要した.

【結論】
VACシステムは超汚染創に対するSSI予防として有用な選択肢となる可能性がある.SSIの発生率,入院日数の短縮,医療費用の削減が,VACシステムを用いた創傷治癒管理のメリットと考えられさらなる症例の経験と検討を要する.
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