演題

PN10-2

急性虫垂炎に対する虫垂切除術後手術創感染とsystemic inflammatory responseとの関連

[演者] 川村 幹雄:1
[著者] 大村 悠介:1, 野口 智史:1, 岩田 崇:1, 渡部 秀樹:1, 尾嶋 英紀:1, 毛利 智美:1, 伊藤 秀樹:1, 池田 哲也:1, 登内 仁:1
1:三重県立総合医療センター 外科

【背景】急性虫垂炎に対する虫垂切除後の合併症としてsurgical site infection(SSI)は治療期間の長期化,疼痛の遷延など患者QOLの低下につながるためその対策,予測因子が模索されている.近年,悪性腫瘍を中心としneutrophil-lymphocyte ratio(NLR)やplatelet-lymphocyte ratio(PLR),C-reactive protein(CRP)などによって示されるsystemic inflammatory responseがその予後予測因子として着目されており急性虫垂炎の重症度予測因子としての有用性も報告されている.一方,systemic inflammatory responseと虫垂炎術後SSI発症との関連には知見に乏しい.【目的】今回,急性虫垂炎術後のSSI発症と,周術期systemic inflammatory responseを中心とした患者因子との関連について検討し,SSI発症の予測因子を同定することを目的とした.【方法と対象】当院で2014年1月から2016年11月までに急性虫垂炎の診断で手術を施行した症例のうち,のちに病理学的に急性虫垂炎の診断を得た139例を対象とし周術期の臨床病理学的因子と術後SSI発症との関連について検討した.【結果】患者背景は,男/女:73/66,手術時年齢:5-89歳(中央値35歳)であった.手術時に膿瘍形成や微小穿孔を有する複雑性虫垂炎は30例(20%)であった.SSIは計13例(9.3%)に発症しており,SSIの発症と有意な関連を認めたものは年齢(p=0.039),喫煙(p=0.011),術前好中球数(p=0.0049),術前NLR(p=0.034),術前アルブミン値(p=0.011),術前CRP値(p=0.001)であった.PLRとSSI発症には相関を認めなかった.また,多変量解析では術前CRP値が独立したSSI発症の予測因子であった(p=0.039).【結語】虫垂炎術後のSSI発症には種々のsystemic inflammatory responseを反映する指標が関連しており,特に術前CRP値は術後SSI発症の予測因子として有用である可能性が示唆された.
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