演題

PM12-5

当院における90歳以上の超高齢者における腹部緊急手術の検討

[演者] 深井 翔太:1
[著者] 吉川 健太郎:1, 木村 次郎:1, 国崎 正造:1, 坂田 大三:1, 坂本 貴志:1, 片桐 秀樹:1, 窪田 忠夫:1, 溝上 賢:1
1:東京ベイ・浦安市川医療センター 外科

近年,高齢化と医療技術の進歩を背景に90歳以上の超高齢者における消化器外科緊急手術が当施設でも増加傾向であり,その現状と問題点・対策に関して検討した.2012年1月から2016年12月までに当施設で施行した90歳以上の超高齢者における消化器外科緊急手術17症例を対象とした.年齢,性別,併存疾患,原因疾患,ASA-PS(American Society of Anesthesiologists Physical Status Classification),術式,術後合併症・経過,入院日数,退院時転帰を比較検討し,超高齢者における消化器外科緊急手術の問題点を吟味した.対象の平均年齢は94.1歳で,最高齢は99歳であった.性別は女性13例(76%),男性4例(24%)であり女性が多かった. 13症例(76.4%)で術前に歩行が可能で,そのうちの5症例では術前ADLが自立していた.8症例(47%)が認知症を有していた.14症例が術前併存疾患を有し,循環器疾患が11症例で一番多く,次いで糖尿病が5症例であった.原因疾患として腸閉塞9症例(ヘルニア嵌頓5症例(大腿ヘルニア3症例,閉鎖孔ヘルニア1症例,鼠径ヘルニア1症例),悪性腫瘍2症例,その他2症例),消化管穿孔5症例(上部消化管穿孔3症例,下部消化管穿孔2症例),急性胆嚢炎2症例,その他1症例であった.悪性腫瘍が関連している症例は3症例であった.ASA-PSは平均して2.7であった.術式は7症例で腸管切除を要した.経過・術後合併症としは廃用症候群9症例,せん妄6症例,呼吸器合併症2症例認め,その他に脳梗塞,消化管出血,心血管疾患などがあった.入院日数は平均して20.2日であった.転帰では死亡例は1症例のみで,生存した症例では来院時と比較し退院時のADLの低下を認めたのは9症例(56.3%)であった.90歳以上の超高齢者における消化器外科緊急手術で当施設では死亡数は少なく他の年齢層の患者と同様に手術を考慮してよいと思われた.超高齢者では生理的な機能の低下により術後の回復が緩徐であることを理解し,術後合併症に注意すべきである.早期退院が困難な場合が多いことを考慮し, ,入院中にADLの低下をきたさないようにリハビリ・社会的介入をすることが大切である.
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