演題

食道胃接合部癌のリンパ節転移分布からみた至適術式の検討

[演者] 酒井 真:1
[著者] 緒方 杏一:1, 栗山 健吾:1, 吉田 知典:1, 熊倉 裕二:1, 本城 裕章:1, 横堀 武彦:2, 宗田 真:1, 宮崎 達也:1, 桑野 博行:1
1:群馬大学大学院 病態総合外科学, 2:群馬大学大学院 病態腫瘍薬理学

【目的】食道胃接合部癌のリンパ節転移様式を解析し,至適術式を検討した.【対象と方法】手術治療を施行した食道胃接合部癌104例をretrospectiveに解析.食道胃接合部癌の定義は西の分類を用いた.【結果】対象症例の平均年齢は 66.1 歳,男性 82 例,女性 22 例.組織型は扁平上皮癌 13 例,腺癌 89 例,その他 2 例.術式は胸部食道全摘19例(18.3%),胸部食道亜全摘13例(12.5%),下部食道胃全摘50例(48.1%),下部食道噴門胃切除18例(17.3%).下部食道残胃全摘4例(3.8%).占拠部位 E:EG:E=G:GE:G=9:24:11:44:16例.深達度はpT1:T2:T3:T4=35/9/41/19例.(1)組織学リンパ節転移頻度は,上縦隔LN (#105, #106) 2.9%,中縦隔LN (#107, #108,#109) が1.0%,下縦隔・食道裂孔LN(#110, #111,#112,#19,#20)が10.6%,噴門部小弯LN(#1, #2, #3)が51.0%,腹腔動脈周囲リンパ節(#7, #8, #9)は28.8%,脾動脈周囲LN (#10, #11p, #11d) が6.7%,胃大彎LN (#4s, #4d) が 1.9%,幽門部LN (#5, #6) が 1.9%,大動脈周囲LN(#16)が1.0%であった.局在別の検討では噴門部小弯LN転移率がE:EG:E=G:GE:G=0:25.0:54.5:34.1:12.5%であり,EG,E=G,GEで転移率が高い傾向にあった(p<0.001).(2)組織型別で,リンパ節転移部位に有意な差はなかった.(3)深達度別のリンパ節転移頻度はpT1:噴門部小弯LN(14.3%),腹腔動脈周囲LN(8.6%).pT2-4:上縦隔LN (4.3%),中縦隔LN (1.4%),下縦隔・食道裂孔LN(15.9%),噴門部小弯LN(69.6%),腹腔動脈周囲LN(39.1%),脾動脈周囲LN (10.1%),胃大彎LN (2.9%),幽門部LN (2.9%),大動脈周囲LN (1.4%)であった.上中縦隔LN転移を認めた症例は全例pT3でGE(adeno)1例,EG(adeno)1例,EG(SCC)1例であった.胃大彎LN ,幽門部LNに転移を認めた症例は,全例GもしくはGE,pT4a,低分化腺癌であった.【総括】食道胃接合部癌においては,T1まではリンパ節転移は噴門部小弯LN,腹腔動脈周囲LNに限局しており,下部食道噴門側胃切除が至適であり胃管再建が可能である.T2以上では,噴門部小弯LN,腹腔動脈周囲LNが郭清の中心となるが,EG~GEの進行癌では上中縦隔LN郭清を考慮すべきである.またGの低分化型進行癌では胃大弯~幽門周囲の郭清が必要で胃全摘の適応である.
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