演題

PM11-4

大腸癌の播種性狭窄に対する外科的介入

[演者] 大平 学:1
[著者] 宮内 英聡:1, 成島 一夫:1, 加賀谷 暁子:1, 武藤 頼彦:1, 今西 俊介:1, 松原 久裕:1
1:千葉大学大学院 先端応用外科学

【背景】
切除不能腹膜播種により腸閉塞をきたした場合,経口摂取を可能とするために外科的介入を余儀なくされることがある.その際の術式はバイパスやストマ造設,状況によっては浸潤を受けた腸管の切除が選択されることもある.このような非治癒手術では術後の遺残腫瘍の急速増大により,短期間で新たな腸管閉塞をきたしてしまい,経口摂取を可能にするという目的を達成できないこともある.また,術後合併症等により予後も短縮してしまうこともしばしば経験される.
【目的】
当科で大腸癌切除不能腹膜播種による腸閉塞(以下本症)に対して外科的介入を行った症例を検討し,外科的介入の効果があまり期待できない可能性の高い症例の抽出,またその際に行うべき適切な術式を導き出すことを目的とした.
【対象と方法】
2011年1月から2016年11月まで本症に対して外科的介入を行った24例を対象に,術前の全身状態(サルコペニア,栄養状態など),腫瘍因子,手術因子,術後経過を遡及的に調査し,術後経口摂取可能期間,全生存期間への関連性を検討した.
【結果】
単変量解析で,CEA 10ng/ml以上,Braf mutant,Clavien-dindo分類 grade3以上の術後合併症発生例,術後化学療法非施行例で有意に術後経口摂取可能期間が短期間であった.上記4項目で検討した多変量解析では,CEA 10ng/ml以上,Braf mutantが,術後経口摂取可能期間が短期間となる独立した因子として抽出された(それぞれHR 5.11,3.88).
次に生存期間に関する検討では,単変量解析で年齢62歳以上,CEA 10ng/ml以上,播種以外の遠隔臓器転移,播種の浸潤を受けた腸管切除を行った症例,Clavien-dindo分類 grade3以上の術後合併症発生例で有意に予後不良であった.多変量解析ではいずれの項目も独立した予後不良因子としては残らなかった.
【結語】
大腸癌の切除不能な播種による腸閉塞に対して,CEA高値例,Braf mutant例では術後の食事摂取可能期間が有意に短いため,外科的介入を慎重に判断する必要がある.また,外科的介入の際の術式で,播種の浸潤を受けた腸管の切除は生存期間短縮につながる可能性があり,なるべく回避すべきと思われた.
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