演題

PM10-3

当科における潰瘍性大腸炎に対するAcute care or elective surgery症例の検討

[演者] 井上 悠介:1
[著者] 藤田 文彦:1, 山口 泉:1, 小林 和真:1, 中山 正彦:1, 峯 由華:1, 山之内 孝彰:1, 金高 賢悟:1, 高槻 光寿:1, 江口 晋:1
1:長崎大学大学院 移植・消化器外科学

【はじめに】
潰瘍性大腸炎(以下UC)の手術適応は,絶対的適応,相対的適応に分類されている.手術が選択された場合,通常当科では2期的大腸全摘術を施行しているが,状況によっては,定型的な大腸全摘術+再建を施行しない場合もある.
【目的】
当科にてUCに対して手術を行った症例を解析し,UCに対する外科治療のあり方を検討すること.
【対象と方法】
2005年9月~2016年12月までに当科でUCに対する手術を施行した11例を対象とし,後方視的に検討を行った.検討内容は,患者年齢,UC罹患期間,手術の理由,緊急手術の有無,術式,短期予後,大腸全摘を選択した場合の人工肛門閉鎖までの期間とした.
【結果】
年齢平均値49.9歳(11~73),罹患期間平均値14.5年(1~27),手術の理由は,大腸癌3例,high grade dysplasia 1例,内科的治療抵抗症例2例,大腸穿孔2例(下行結腸癌穿孔1例,炎症によるS状結腸穿孔1例),出血2例,UC急性増悪1例であった.緊急手術は5例に施行されていた.大腸全摘術が選択された症例は8例であり,結腸部分切除が2例,ハルトマン術が1例に施行されており,周術期の死亡症例は認めなかった.人工肛門閉鎖は7例に施行されており閉鎖までの平均期間は,5.1ヶ月であった.待機手術群6例と,緊急手術群5例で比較すると,年齢平均値は39.5歳(11~66):62.4歳(42~73)P=0.03,罹病期間平均値は,14年(1~23):15.2年(1~27)P=0.86 であった.ガイドライン上,大腸全摘を考慮すべき症例は,待機群6例,緊急群5例であり,待機群に対しては5/6例(大腸癌3例,内科的治療抵抗症例2例),緊急群に対しては,3/5例(出血2例,急性増悪1例)に大腸全摘術が施行された.大腸全摘を選択しなかった理由としては,待機群での患者側の希望が1例,緊急群で2例(いずれも穿孔症例)であった.
【考察】
当科における潰瘍性大腸炎に対する手術の約半数は緊急手術であった.緊急手術は高齢患者に多かったがUCの罹病期間に差は認めなかった.短期生命予後は両群で同等であった.
【結語】
UC患者に対する緊急手術は,対象が高齢患者であることが多いが,比較的良好な短期生命予後が期待できる.
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