演題

PL11-3

膵空腸吻合の標準化を目指して

[演者] 前田 一也:1
[著者] 島田 麻里:1, 加藤 嘉一郎:1, 奥田 俊之:1, 平沼 知加志:1, 宮永 太門:1, 道傳 研司:1, 服部 昌和:1, 橋爪 泰夫:1
1:福井県立病院 外科・がん医療センター

【目的】膵頭十二指腸切除術における術後膵液漏の発生は時に重篤な合併症を併発する.術式の定型化により,術後合併症の発生を低下し得ることが報告されており,また,膵切除症例数と合併症率が相関するとの報告も多い.症例数の少ない施設でも膵消化管吻合の定型化が重要であると思われる.当科でも定型化を進めるとともに術後膵液漏の発生を低下し得たので,その手技と成績を報告する.【方法】当科では,2010年以降92例の膵消化管吻合を経験した.膵消化管再建は,膵空腸端側吻合を選択しており,原則として膵管空腸粘膜吻+膵実質吻合を行っている.膵管空腸粘膜吻合は5-0 モノフィラメント吸収糸を用い計8針で吻合している.膵実質空腸縫合は,以前は柿田法による膵実質空腸縫合を採用していたが,2012 年より主膵管の頭側と尾側に水平マットレス式膵実質-空腸漿膜筋層縫合(Blumgart 法)を2針おき,膵実質の頭側・尾側に1針ずつの柿田式膵空腸縫合を用いる,Blumgart 変法を行っている.膵管ステントは基本的に全例に留置しており,外瘻化して腸管盲端を腹壁に固定している.ドレーンは膵空腸吻合部腹側と背側に2 本挿入した.術後管理としては,ここ数年はドレーンの早期抜去を心がけており,食事開始時期も早めている.【成績】全症例中に在院死亡はなく,術後膵液漏はgrade B/Cが26例(28%)であった.Blumgart 変法を行った症例ではgrade B/Cが9例(18.5%)であった.最近の20例ではgrade B/Cは2例(10%)であった.手技がほぼ定型化されてからは若手医も同様の手技を行っており,術後膵液漏の増加を認めていない.【結論】当科で行っているBlumgart 変法は術後膵液漏の発生予防に有用である可能性が示唆された.膵消化管吻合法の定型化,術後管理の安定化により術後合併症の減少が可能となった.
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