演題

PL10-7

EUS-FNAで診断し,根治切除し得た膵退形成癌の1例

[演者] 中島 慎吾:1
[著者] 泉谷 康仁:1, 木村 雄:1, 小見山 聡介:1, 金 修一:1, 川上 定男:1
1:市立福知山市民病院 外科

膵退形成癌は膵癌の中では非常に稀で,予後が不良とされている.一方,診断については通常膵癌の診断で切除後に病理組織検査で判明したり,術前にEUS-FNAで診断されても切除不能な病期であることが多い.本邦において,EUS-FNAで膵退形成癌の診断に至り,根治切除を終えた症例は今までに報告がない.今回,我々はEUS-FNAで術前診断し,根治切除し得た膵退形成癌の1例を経験したので報告する.症例は72歳の女性.心窩部痛を主訴に当院救急受診.血清アミラーゼ値の上昇を認め,腹部dynamic CTで膵頭部に限局した周囲の軽度脂肪織濃度上昇,膵体部からの主膵管拡張を認めたが,明らかな腫瘤は同定できなかった.以上より,急性膵炎の診断で入院となった.膵炎は絶食のみで改善し,主膵管拡張の精査を行った.ERCPでは膵頭部主膵管の狭窄を認め,その尾側主膵管は拡張していた.擦過細胞診は狭窄が強く困難であった.EUSで膵頭部に低エコー・内部不均一な充実成分と嚢胞成分からなる約15mmの腫瘤性病変を認めた.同部位のEUS-FNAを行い,膵退形成癌と診断し,亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した.腫瘤は充実性で黄色調であり,中心部に嚢胞状の変化を認めた.病理組織学的所見では腺癌成分と連続するように紡錐形・多形性を伴う大型異型細胞の増生,破骨細胞類似多核巨細胞の混在を認め,膵退形成癌と診断された(Ph,TS2(25mm),nodular-cystic type,INFb,ly0,v0,ne0,mpd(-),pT3,pCH0,pDU0,pS1,pRP0,pPV0,pA0,pPL0,pOO0,pPCM0,pBCM0,pDPM0,pN0,M0,StageⅡA(JPS7th)).術後S-1による補助化学療法を開始したが,食思不振に伴い,途中で中止.現在,術後7ヶ月無再発生存中である.
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