演題

PL10-6

膵腺扁平上皮癌に対する化学療法の有用性

[演者] 大川 政士:1
[著者] 門野 潤:1, 槐島 健太郎:2, 石崎 直樹:2, 大迫 政彦:2, 基 俊介:1, 北薗 巌:1, 井本 浩:1
1:鹿児島大学病院心臓血管・消化器外科学分野, 2:鹿児島市医師会病院 外科

【はじめに】膵腺扁平上皮癌(adenosquamous carcinoma, 以下ASC)は稀で,腺癌よりも予後不良である. 5例のASCの切除例を経験し,化学療法の有用性について報告する.
【患者および腫瘍背景】全例,術後病理所見でASCと診断された.年齢は61-77歳,中央値68歳で,男性4例,女性1例であった.腫瘍は頭部1例,体尾部4例で,腫瘍径は13-46mm,中央値26mmであった.進行度はIB 1例,IIA 1例,IIB 2例,Ⅳ 1例 (術後に肝転移と診断)であった.術式は膵頭十二指腸切除+門脈合併切除1例,膵体尾部切除4例であった.進行度Ⅳ以外はR0であった.
【術前化学療法】なし
【術後補助化学療法】4例:塩酸ゲムシタビン(以下,GEM) 1例,GEM+UFT 1例,S-1 2例.
【術後経過】生存率は2年 80%, 3年 53%, 5年27%であった.進行度Ⅳの症例は術後2ヶ月よりS-1+GEMを投与したが奏功せず,術後7ヶ月で癌死した.R0となった症例も術後2年以内に3/4が再発した(肝+肺 1例,リンパ節+肺 1例,肺1例).膵頭十二指腸切除後,GEMによる補助化学療法が行われた1例は術後90ヶ月無再発生存中である.
【再発に対する化学療法】
1.肝転移→肝+肺転移(補助化学療法GEM+UFT):術後20ヶ月目に肝転移を認め,切除後GEM 710mg/mm2を7コース投与.26ヶ月目に肺転移を認め, S-1 100mg/bodyを投与したが,34ヶ月目に肝転移を認めた.S-1+GEMを投与したが奏功せず,術後42ヶ月目に肝不全で癌死した.2:リンパ節+肺転移(補助化学療法S-1):術後9ヶ月目に大動脈周囲リンパ節転移,肺転移を認めた.mFOLFIRINOXが奏功せず,GEM+nabPTXに変更し,SDで,術後15ヶ月生存中である.4.肺転移(補助化学療法S-1):術後24ヶ月目に肺転移を認め,S-1を再開したが,術後37ヶ月目に癌死した.
【まとめ】ASCはR0手術が行われても,2年以内の再発が多かったが,過去の報告と比較し生存率の向上を認めた.再発に対してはGEMを中心とした化学療法で病勢コントロールが得られた.R1となった症例の予後は不良であった.R0手術と補助化学療法,GEMを中心とした化学療法で予後の改善が得られた.
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