演題

PL10-5

小膵癌切除例の治療成績

[演者] 原 義明:1
[著者] 前田 知世:1, 向井 俊平:1, 榎並 延太:1, 澤田 成彦:1, 佐藤 好信:1, 日高 英二:1, 石田 文生:1, 工藤 進英:1
1:昭和大学横浜市北部病院 消化器センター

【目的】膵癌は腫瘍径が小さくとも局所進展から周囲浸潤,遠隔転移をきたす症例も多いことが知られている.当科で経験した症例について,臨床病理学的特徴を検討した.
【方法】2001年から2015年に当科で経験したTS1膵癌16例について,発見経緯,診断,手術成績・予後を検討した.
【成績】(患者背景)男性9例,女性7例.年齢中央値70.5歳.発見経緯は13例が有症状,3例が検診や他疾患精査などで偶然発見されていた.(診断)腫瘍径は10mm以下2例,11mm~20mm14例で,部位は頭部11例,体尾部5例.16例中7例で腫瘍マーカー(CEA,CA19-9,DUPAN-2,SPan-1)はすべて正常だった.術前CT・MRIでは13例で膵管拡張を認めたものの,腫瘍が指摘できたのは7例のみだった.一方EUSは14例で施行しており,うち13例で腫瘤を確認できた.16例中9例で術前に細胞診または組織診で診断確定しており,特に最近5年間では10例中8例で診断確定,そのうち6例はEUS-FNAだった.(手術成績・予後)11例でPD,5例でDPを施行.局所進展度(T1/T2/T3/T4)は5例/1例/8例/2例.リンパ節転移の程度(N0/N1)は15例/1例.癌遺残度(R0/R1)は14例/2例.病期(Stage1/2/3/4a)は それぞれ5例/1例/8例/2例だった.化学療法を術前に施行したのは2例のみで,術後補助化学療法は9例で施行していた.現在までに9例で再発を認め,内訳は肝転移3例,リンパ節再発5例,局所再発1例.6例が原病死しており,5年生存率は45.2%だった.
【結論】腫瘍の同定,診断確定にEUSが有効だった.経験例では局所進展例が多く,再発例も多い.近年,膵癌に対する集学的治療の進歩に伴い術前治療を行う症例が増えてきているが,Boderline Resectable症例ではない小膵癌においても今後術前治療を検討する必要があると思われる.
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