演題

PK12-7

幽門輪温存膵頭十二指腸切除術における十二指腸断端,幽門輪の血流についての検討

[演者] 小暮 正晴:1
[著者] 松木 亮太:1, 横山 政明:1, 中里 徹矢:1, 鈴木 裕:1, 紅谷 鮎美:1, 阿部 展次:1, 森 俊幸:1, 正木 忠彦:1, 杉山 政則:1
1:杏林大学医学部 消化器・一般外科

【背景】幽門輪温存膵頭十二指腸切除術(pylorus-preserving pancreatoduonodectomy;PpPD)は従来のWhipple手術に比べ栄養状態の改善が認めれ広く普及している.一方で幽門輪を温存することで胃内容排泄遅延の頻度もあがることが報告されている.胃内容排泄遅延の原因として幽門輪および十二指腸断端の虚血が一因であることが懸念されている.右胃動脈は通常,固有肝動脈から分岐し幽門前庭部,十二指腸球部を栄養する.右胃動脈の血流遮断部位によっては左胃動脈からのアーケイドや上十二指腸動脈からの血流を温存することができ,幽門輪,十二指腸切離断端の血流を保つことが可能と考えられる.
【目的】右胃動脈の血流遮断部位により十二指腸断端,幽門輪血流に影響を及ぼすかどうかを検討する.
【対象,方法】対象は当院でPpPDを施行された患者13例.幽門輪のレベルで右胃大網動静脈結紮後に幽門輪から約4cm肛門側十二指腸を自動縫合器で切離する.十二指腸断端および幽門輪の血流をO2C(Oximeter for Hemoglobin Oxygen Saturation and Hemoglobin Amount of Peripheral Blood)で評価する.右胃動脈を同定,テーピングし,右胃動脈クランプ前,右胃動脈根部でクランプ後,右胃動脈末梢でクランプ後の3段階を測定し評価する.
【結果】右胃動脈クランプ前とクランプ後(右胃動脈根部,末梢)の血流比を評価した.血流比(右胃動脈根部クランプvs右胃動脈末梢クランプ)を比較すると十二指腸断端の酸素飽和度(0.77vs0.76,p=0.71),ヘモグロビン濃度(1.01vs1.00,p=0.53),血流速度(0.57vs0.47,p=0.21),血流量(0.57vs0.37,p=0.08)では有意差は認められなかった.一方,幽門輪の酸素飽和度(0.98vs0.84,p=0.001),ヘモグロビン濃度(0.98vs0.94,p=0.13),血流速度(0.89vs0.65,p=0.03),血流量(1.20vs0.59,p=0.05)は右胃動脈根部クランプで改善する傾向が認められた.
【結語】PpPDにおいて右胃動脈を根部結紮することで幽門輪の血流を維持できる可能性が示唆された.
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