演題

PK12-4

C-ペプチドインデックスと膵臓体積の測定を用いた術後耐糖能変化予測に関する検討

[演者] 渡邊 翼:1
[著者] 吉岡 政人:1, 打波 宇:1, 渡辺 剛:1, 飯田 正毅:1, 中川 康彦:1, 八木 史生:1, 熊谷 健太:1, 大塚 直彦:1, 山本 雄造:1
1:秋田大学大学院 消化器外科学

[目的] 糖尿病予備群が社会問題化している現在,膵切除術後に糖尿病を発症する症例が今後増加してくるものと思われる.近年,CPI (C-ペプチド (CPR) インデックス: 空腹時CPR x 100/空腹時血糖値)が糖尿病治療計画に有用であることが認められ,CPI > 1.2では経口糖尿病薬,CPI < 0.8ではインスリンが必須,0.8 < CPI < 1.2でも経口糖尿病薬 (SU剤) はβ細胞を疲弊させるためインスリン治療を導入すべきとされている.膵切除では物理的なラ氏島の減少を伴うため,術後にCPIが一般糖尿病患者よりも低下しやすいと推測される.今回,我々は膵切除前後にCPIと膵体積を測定し,膵切除に伴うインスリン分泌能の変化を検討した.[方法] 膵切除患者のうち,インスリン使用中,血糖値が70 mg/dL以下にも拘わらずインスリン値が基準値以上,CPRが基準値の2倍以上の症例を除いた27人を対象とした.膵頭十二指腸切除 (PD) 18人,膵体尾部切除 (DP) 9人.術前および術後に空腹時血糖,血清インスリン,CPRを測定し,CPIを算出した.膵体積はCTで測定した.<検討項目> ① 手術前後のCPI変化,② 膵体積の変化,③ 体積とCPIの関係.予測術後CPIは術前CPI × (術後体積/術前体積)で算出した.[結果] ① CPIはPDで術前1.65 ± 0.53,術後1.06 ± 0.63と36%低下し,DPでは術前1.4 ± 0.6,術後1.0 ± 0.6と29%低下していた.術前にCPI < 0.8の症例は存在しなかったが,術後は12人 (44%) が0.8を下回った.また,19人 (70%) は1.2以下であった.② 膵体積 (cm3) はPDでは術前67.5 ± 22.6,術後26.9 ± 13.1と60%減少,DPでは術前58.8 ± 3.7,術後36.7 ± 13.3と38%減少していた.③ 実際の術後CPIと予測術後CPIの相関係数はr = 0.77と強い相関を認め,膵内分泌機能は切除体積に比例して低下していた.[結語] 膵切除後においては糖尿病が軽症でも経口糖尿病薬ではなく,早期のインスリン治療の導入を考慮すべき症例が約7割に生じることが示唆された.また,術前のCPIと膵のvolumetryから術後CPIを予測することは可能であり,術後の治療計画や患者教育に役立てることができると考えられた.
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