演題

食道胃接合部腺癌に対するリンパ節転移からみた至的リンパ節郭清領域と術式の検討

[演者] 成宮 孝祐:1
[著者] 工藤 健司:1, 矢川 陽介:1, 前田 新介:1, 豊島 幸憲:1, 井上 雄史:1, 碇 直樹:1, 谷口 清章:1, 大杉 治司:1, 山本 雅一:1
1:東京女子医科大学病院 消化器外科

(はじめに)食道胃接合部腺癌に対する至適リンパ節郭清領域に関して,一定の見解が得られておらずそれに伴う術式選択も定型化されていないのが現状である.(目的)2000年1月より2016年12月まで当科で手術施行された西分類による食道胃接合部腺癌72例をA群 (進行癌50例),B群(表在癌22例)に分け,リンパ節転移からみた術式の検討をretrospectiveにおこない至的リンパ節郭清範囲より術式を検討することを目的とした.(方法)A群は郭清Indexから至的リンパ節郭清範囲を,B群に関しては転移リンパ節が少数ないため患者背景より検討した.(結果)患者背景(1)腫瘍占居部位(EG : E=G : GE : G )A群 22:16:11:0 B群5:4:13(2)腫瘍の平均中心位置 A群:食道側 4mm B群:胃側2mm (3)深達度(m2:m3:sm1:sm2:sm3:T2:T3: T4)=1:6:2:10:3:5:41:3 (4)リンパ節転移(n+ : n- )=A群32:17 B群4:18 (5)術式(右開胸:左開胸:経裂孔開腹)A群10:27:12 B群1:5:16(6)補助療法(術前化学療法:術前化学放射線療法:術後化学療法:術後化学放射線療法) A群1:4:29:1 B群なし(7)転移個数 /郭清領域 (頚部リンパ節 /上縦隔リンパ節 / 中縦隔リンパ節 / 下縦隔リンパ節 / 腹部リンパ節) A群(1/4 , 1/10, 3/17, 10/36, 31/49)B群(0/1, 0/3, 0/8, 4/22)(8)転移形式(頚部リンパ節:縦隔リンパ節:腹部リンパ節:播種性:肝臓:肺:骨:残食道胃:皮膚:脳:他病死)=A群(3:8:5:6:5:1:3:1:1:1)B群(0:0:0:0:1:0:1:0:0:0:3) (9)A群の 3年生存郭清Index #1=12.1, #2=10.6, #3=12.9, #4sa=0, #4sb=0, #4d=0, #5=0, #6=0, #7=13.5, #8a=8.3, #9=7.7, #10=0, #11=18.1, #12=0, #16=0, #20=50, #101~#109Lまで0,#110=12.9, #111=0, #112=9.09(10)5年生存率 A群38% B群72%(結論)進行食道胃接合部腺癌に対する外科治療 として#110,#112,#1,#2,#3,#7,#8a,#9,#11,#20,は至的リンパ節郭清範囲と考えられ,この郭清範囲から進行癌においても噴門側胃切除術の適応を考慮できると考える.表在癌に関しては縦隔内のリンパ節郭清は省略可能と考える.(考察)今回検討した症例の進行癌占居部位が食道側に偏っているため腹部,特に#16リンパ節郭清に対する再検討は必要であると考えている.また,進行食道癌に対する成績向上のために術前化学放射線療法のphaseI試験が進行中であるため経過報告を予定している.
詳細検索