演題

PK11-7

十二指腸乳頭部癌SSPPD後(他院),有茎空腸間置再建部の壊死,小腸皮膚瘻に対し再建し得た1例

[演者] 渋谷 豪:1
[著者] 樋口 亮太:1, 高橋 豊:1, 植村 修一郎:1, 松永 雄太郎:1, 椎原 正尋:1, 江川 裕人:1, 山本 雅一:1
1:東京女子医科大学病院 消化器外科

症例は75歳,女性.2015年2月に,前医で十二指腸乳頭部癌に対して亜全胃温存膵頭十二指腸切除術施行され,再建は上部空腸有茎脚を拳上し,膵空腸端側吻合,胆管空腸端側吻合,さらに胃空腸側々吻合,有茎空腸と空腸の端側吻合の順に行われた.病理はpT3b,pN1,pM0,pStageⅡbとのことであった.しかし,空腸空腸吻合部の縫合不全から,POD14に小腸皮膚瘻を正中創に形成し,胆管炎を繰り返すため絶食期間が長期となり低栄養状態で,再手術は施行されなかった.2015年11月にセカンドオピニオン目的で当院受診し,12月より初回入院となった.
入院時,身長147.5㎝,体重36.6㎏,Alb:2.9,ChE:112でPSは3であった.上腹部正中切開創臍上部に10mm大の腸管皮膚婁を認めた.胆汁と膵液の排液約1000~1700ml/day認め,同部位に著明な皮膚炎を伴っていた.皮膚瘻より造影チューブを挿入し胆腸吻合を造影すると胆腸吻合の狭窄と,間置有茎空腸の狭小化を認め,間置空腸の血流障害あるいは壊死が疑われた.逆行性にまず間置空腸から胆管内にチューブを挿入し,胆汁と膵液をドレナージすることで,胆管炎と皮膚炎のコントロールを行った.栄養チューブを入れ,栄養管理も行った.経口摂取が可能になり,栄養状態も改善したため2016年4月に栄養チューブは抜去した.栄養改善に伴い皮膚瘻は縮小傾向であったが排液は200mlほど持続した.手術をおすすめしたが本人の希望で2016年6月に一度退院した.排液多く皮膚炎悪化したため再度入院,ご本人の同意も得られ,2016年11月に壊死した有茎空腸切除,胆管空腸,膵管空腸再吻合,経腸栄養チューブ留置術施行した.拳上空腸は委縮,狭小化しており,病理では間置空腸部粘膜は虚血壊死し,壁は肉芽様組織となっていた.術後は明らかな合併症なく経過した.十二指腸乳頭部癌SSPPD後,有茎空腸間置再建部の壊死,小腸皮膚瘻に対し再建し得た1例を経験したので,報告する.
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