演題

PK10-7

膵頭十二指腸切除後の反復する胆管炎

[演者] 上田 浩樹:1
[著者] 伴 大輔:1, 工藤 篤:1, 落合 高徳:1, 田中 真二:2, 田邉 稔:1
1:東京医科歯科大学大学院肝胆膵外科, 2:東京医科歯科大学大学院分子腫瘍医学

背景:術後胆管炎は膵頭十二指腸切除術(Pancreaticoduodenectomy; PD)後の重要な晩期合併症の一つであり,とりわけ反復する胆管炎は患者のQOLに大きく影響する.しかしながらこれまで報告が少ない.本研究の目的はPD後胆管炎の臨床的特徴を明らかにすることである.
方法:2007年1月から2013年12月まで当科でPDを施行した連続する155例の患者の中,術後1年以上経過観察出来た113例を後方視的に検討した.再発による胆管炎は除外した.胆管炎の診断は改訂された東京ガイドライン2013の急性胆管炎の診断基準に従い,3回以上繰り返す胆管炎を難治性胆管炎と定義した.
結果:難治性胆管炎は21人(18.6%)に発症した.うち17人が初回の胆管炎を術後1年以内に発症していた.10人の患者が胆道狭窄を伴っていた.これらの患者は狭窄に対して平均2回のインターベンションまたは内視鏡的拡張術を要したが寛解した.一方胆道狭窄を伴わない患者は多くは抗生剤を中心とする保存的治療で軽快したが,寛解に至らず治療後も繰り返した.胆道狭窄を伴う群で胆管炎による緊急入院は多かった(57% vs 14%, p=0.004)が,胆管炎の発症する間隔は狭窄を伴わない群で短かった(平均5.3カ月 vs 8.3カ月).難治性胆管炎の2年累積発症率は18.9%(95%信頼区間11.65-26.15%)であった.多変量解析の結果,難治性胆管炎のリスク因子は良性疾患(OR比18.52; p=0.001),長時間手術(同18.73; p=0.002),術後CRP高値(同6.55; p=0.014),術後外来ALP高値(同6.03; p=0.018),術後胆道気腫(同28.81; p=0.009)であった.
結語:PD後胆管炎は通常1年以内に発症する.約半数の患者に胆道狭窄を認め,これらの患者には積極的な拡張術が有用である.
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