演題

PK10-5

膵頭十二指腸切除術後の非アルコール性脂肪肝発生における臨床的特徴についての検討

[演者] 上里 安範:1
[著者] 卸川 智文:2, 大城 直人:2, 西巻 正:1
1:琉球大学医学部 消化器・腫瘍外科学, 2:中頭病院 外科

【目的】膵頭十二指腸切除術(pancreaticoduodenectomy; 以下PD)後の20~30%に非アルコール性脂肪肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease; 以下NAFLD)が発生すると言われており,これは膵外分泌機能の低下や低栄養が原因とされている.今回我々はPD後のNAFLD発症における臨床学的特徴について検討を行った.【対象と方法】2013年7月から2016年6月に中頭病院でPDを施行した33例を抽出し,術後半年で死亡した症例(1例)およびPD後も飲酒を継続していた症例(1例)を除外した31例を対象とした.NAFLDは術後半年のCTでliver-to-spleen attenuation ratioが0.9未満と定義した.対象をNAFLD発症群(A群)と非発症群(B群)に分け,術前因子(年齢,性別,疾患,糖尿病,BMI)および術中因子(腹腔鏡手術/開腹手術,手術時間,出血量),術後因子(膵液瘻,下痢,SSI)と,PD前と術後1か月の採血検査所見の変化(Alb値,TP値,chE値)においてretrospectiveに検討した.【結果】PDの半年後にNAFLDを発症したのは4例(12.9%)だった.A群とB群で術前因子および術中因子に有意差を認めなかった.術後因子のうち下痢を来していた症例がA群で有意に多かった(p<0.05).血液検査所見では,Alb値とTP値においてA群でPD後に有意な低下を認めた(p=0.04, p=0.02).chE値は有意な低下を認めなかった.【考察】今回の検討において,PD術後の下痢および低栄養はNAFLD発症における危険因子であることが示された.術後早期からの下痢に対する対応および積極的な栄養療法が望ましいと思われる.
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