演題

PJ12-7

尾側膵切除後合併症と脾摘後白血球増多との関連性

[演者] 松井 聡(岐阜大学大学院):1
[著者] 長田 真二:1, 今井 寿:2, 棚橋 利行:2, 田中 善宏:2, 松橋 延壽:2, 高橋 孝夫:2, 山口 和也:2, 吉田 和弘:2
1:岐阜大学大学院 肝胆膵・がん集学的治療学, 2:岐阜大学大学院 腫瘍外科学

【緒言】膵悪性疾患に対する尾側膵切除(DP)に伴う脾臓摘出の際には,多くの場合自然経過的に白血球増多を発症する一方で,術後なんらかの合併症による炎症所見の遷延化との判別が困難である.【対象】2004年以降のDP例:疾患内訳は通常型膵癌が31例(51.6%),IPMN 12例(20.0%)にNETなどその他を含む60例を対象とした.【結果】1.男女比は36:24,平均年齢は68歳(11-86),脾温存を7例,鏡視下が4例,他臓器合併切除が11例,2.術中因子の各中央値は手術時間(分)が244 (143-555),出血量(ml)が550 (35-2300)で,3.主な合併症としての膵液漏(ISGPF: Grade B)は13例(21.6%)にみられた.脾温存との比較では,4.白血球数(/μL)は術後3-4日目(POD3-4)で脾摘vs脾温存とで11421.3±3760.4と8111.4±2782.7と有意に(p=0.0237)高く,POD1とPOD6-10はそれぞれ12714.2±4083.1と11304.3±1764.9,8772.1±3206.9と7222.9±2429.2で有意差は認めなかった.5.血小板数(103/μL)は,POD1で18.3±7.6と18.5±4.0,POD3-4で19.8±7.4と18.4±4.6で有意差は認めないものの,POD6-10で39.0±15.2と27.2±8.4と,有意差(p=0.0279)を認めた.6.CRP値(mg/dl)はPOD1で9.38±3.11と8.92±2.86,POD3-4で14.38±5.64と14.11±6.73,POD6-10で3.96±3.99と7.52±7.98でいずれも有意差はなかった.7.Clavien-Dindo分類(CD)2以下例では,白血球数はPOD1で12034.2±3279.3と11231.7±1921.9,POD3-4で10690.8±3445.2と7860.9±2959.93,POD6-10では8331.1±3149.5と6881.7±2470.5,8.血小板数は,POD1で18.2±5.6と18.2±4.4,POD3-4で20.0±6.4と18.3±5.0,POD6-10で39.7±14.0と25.2±7.1,9. CRP値はPOD1で9.73±2.98と8.32±2.61,POD3-4で13.22±5.32と12.95±6.56,POD6-10で2.71±2.13と7.81±8.71で,POD6-10の血小板数のみ有意差(p=0.0069)を認めた.10. 脾温存例以外でのCD2以下と3以上は,白血球数が,POD3-4で10690.8±593.9と13223.3±932.8で有意差(p=0.0478)がみられたが,POD1あるいはPOD6-10では差はなかった.11. 膵液瘻に関してISGPF GradeA以下とB以上では術後3-4日目の白血球数は11307.3±593.1 vs 11846.4±1143.1で有意差はなく,術後1日目12481.0±4105.5と13604.5±4060.4,術後6-10日目10332.7±3402.1と8366.0±3067.0の白血球数も有意差は認められなかった.【結語】DP術後白血球の上昇は一部でCD3a以上の合併症との有意な関連性はあっても,膵液瘻の重度と必ずしも一致しない.
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