演題

PJ12-4

膵体尾部切除術における自動縫合器による膵断端処理の治療成績

[演者] 梅崎 直紀:1
[著者] 橋本 大輔:1, 中川 茂樹:1, 山尾 宣暢:1, 甲斐田 剛圭:1, 今井 克憲:1, 山下 洋市:1, 石河 隆敏:1, 近本 亮:1, 馬場 秀夫:1
1:熊本大学大学院 消化器外科学

【はじめに】膵体尾部切除術では,膵断端の処理と膵液瘻予防が非常に重要である.膵切離法に関して様々な工夫がなされているが,未だに膵液瘻を完全に防止する方法は確立していない.当院では2014年より膵体尾部切除術の膵切離時にPGAフェルト付き自動縫合器を導入し,開腹・腹腔鏡下手術問わずに使用している.今回当院におけるPGAフェルト付き自動縫合器の治療成績を以前の自動縫合器(ECHELON FLEX™ Green)と比較し検討した.【手術手技】体位は仰臥位とし,腹腔鏡下の場合は5ポート,開腹の場合は上腹部正中切開で手術を行った.膵切離方法に関しては5分かけてステープラーを閉鎖した後に3分間圧挫し,1分かけて膵切離を行った.【方法】2012年6月~2016年6月に当院で膵体尾部切除の膵切除時に自動縫合器を用いた35例を対象とし,ECHELON FLEX™ Green 17例(ECHELON群)とEndo GIA™ リンフォース トライステープル Black 18例(GIA群)で比較した.【結果】症例はIDC 11例,NET 9例,IPMN 2例,IPMC 2例,SPN 3例,MCN 2例,SCN 3例,転移性膵腫瘍2例,膵リンパ上皮嚢胞1例の計35例であった.手術時間の中央値はECHELON群(n=17)で299分(190-480分),GIA群(n=18)で290分(207-501分)と有意差は認めなかった(P=0.74).drain抜去日の中央値はECHELON群で5日(4-5.5日),GIA群で6日(4-8日)と両群間で有意差は認めなかった(P=0.34).膵液瘻発症数に関してもECHELON群でGrade A/B/C=6/0/1例,GIA群はGrade A/B/C=9/1/0例で有意差を認めなかった(P=0.36). ECHELON群では術後出血1例と仮性動脈瘤破裂を1例認め,再手術を行ったが,GIA群では手術などを必要とする重篤な合併症は認めなかった.【まとめ】 Endo GIA™リンフォース トライステープルはECHELON FLEX™ Greenと比較しても,手術時間や安全性にも関して遜色がなく,膵切除時のデバイスとして有用と思われる.
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