演題

PJ12-2

膵体尾部切除術後膵液瘻の予測因子としての炎症性マーカーの有用性の検討

[演者] 三浦 文彦:1
[著者] 佐野 圭二:1, 和田 慶太:1, 澁谷 誠:1, 池田 豊:1, 高橋 邦彦:1, 貝沼 雅彦:1, 川村 幸代:1, 峯﨑 俊亮:1
1:帝京大学医学部 肝胆膵外科

【目的】膵液瘻は膵切除における最も重要な術後合併症で,その予防と対策の決定打は存在しない.近年炎症性マーカーが,癌患者の長期予後だけでなく術後合併症の予測因子として有用であることが報告されている.そこで胆管炎の影響を受けない膵体尾部切除術(distal pancreatectomy,以下DP)施行例の膵液瘻に及ぼす影響について検討を加えたので報告する.【方法】2009年5月から2015年12月に当科DPが施行された76例(平均年齢66.5歳,男:女=9:10)を対象とした.年齢(68歳 or未満),性別,BMI(22以上 or未満),NLR(好中球数/リンパ球数:2.6以上 or未満),PLR(血小板数/リンパ球数:148以上 or 未満),CAR(CRP/アルブミン値:0.01以上 or 未満),CT上の膵実質厚(14mm以上 or 未満),腹腔鏡下手術の有無,手術時間(300分以上 or未満),出血量(450ml以上or未満),膵切離法(自動縫合器 or それ以外)合併切除臓器の有無,良悪性に関してISGPF Grade≧Bの膵液瘻発生をend-pointとし,単変量解析と多変量解析を行った.【成績】腹腔鏡下手術は22例(29%)に,自動縫合器による膵切離は49例(64%)に行われた.Grade≧Bの膵液瘻は32例(42%)に発生した.単変量解析,多変量解析ともにCT上の膵実質厚≧14mmのみが有意なGrade≧Bの膵液瘻の予測因子だった(単変量解析:p=0.020,多変量解析:p=0.029).【結論】今回の検討では,炎症性マーカー(PLR1,NLR,CAR)は膵体尾部切除術後膵液瘻の予測因子として有用ではないと考えられた.今後のさらなる検討が必要である.
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