演題

PJ11-5

膵管径/膵実質比での膵液瘻の予測

[演者] 清水 徹之介:1
[著者] 朝隈 光弘:1, 井上 善博:1, 廣川 文鋭:1, 林 道廣:1, 内山 和久:1
1:大阪医科大学附属病院 消化器外科

(背景)手術手技の向上,周術期管理の進歩により膵切除術後の合併症は減少してきたかにもかかわらず,未だGrade B or Cの膵液瘻をはじめとした重大な合併症,特に腹腔内出血を起因とした致命的な合併症が起きる場合がある.そこで今回我々は,膵頭部領域癌にて膵頭十二指腸切除術症例において,後ろ向きに術前に得られる情報で膵液瘻の予測ができるか否かを検討した.(方法)2009年から2016年に膵頭部領域癌に対して膵頭十二指腸切除術を施行した128例を対象とした.術前CTでの膵管径や膵の厚みを始めとし,宿主術前免疫状態,術前血液から示唆できる炎症の状態や栄養指標を用いて,膵液瘻の予測因子を単変量,多変量解析を用いて検討した.(結果)膵液瘻の発生率は46.1% (ISGPF 分類でGrade A:13例,Grade B 38例,Grade C:8例)であった.単変量解析では白血球≧8000,好中球≧4000,CRP≧0.5,NLR≧2.8,CRP/Albumin≧0.05,Modified GPS 0 / 1,2,胆管ステントの有無,膵管径<3mm on CT,膵の厚み/膵管径≧ 2.5が膵液瘻と優位な相関を認め,多変量解析では膵の厚み/膵管径≧2.5 (p=0.002, odds ratio:6.535, 95%CI: 1.869-31.2)が独立した危険因子であった.(考察)術前免疫,栄養状態,術前の膵臓の状態による解析から,術前のデータ解析のみで膵液瘻が予測できることが示唆された.現在,Synapse Vincentを用いて,残膵volumeを計測し,今回の膵液瘻の危険因子である膵の厚み/膵管径≧2.5が残膵volumeと相関関係があるか否かを確認中である.
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