演題

PJ11-3

膵頭十二指腸切除術後ドレーン排液中の細菌汚染が膵液瘻に与える影響

[演者] 横田 祐貴:1
[著者] 冨丸 慶人:1, 野口 幸蔵:1, 長瀬 博次:1, 浜部 敦史:1, 広田 将司:1, 谷田 司:1, 森田 俊治:1, 今村 博司:1, 堂野 恵三:1
1:市立豊中病院 外科

【背景】膵頭十二指腸切除術(PD)術後の膵液瘻(POPF)は致死的な合併症となり得るため,その対策が重要である.今回,PD術後早期における腹腔内ドレーン排液の監視培養の結果がPOPFに与える影響を評価し,POPF対策について検討した.
【対象・方法】2016年4月までに当院にてPDを施行した93例を対象とした.他臓器合併切除例は除外した.術後第1病日(POD1),第3病日(POD3)に腹腔内に留置されているドレーン排液の培養検査を行い,POD1とPOD3のいずれかまたは両日に細菌を認めた場合を培養検査陽性と定義した.対象症例において,ドレーン排液の培養検査結果とPOPF発症との関連性を評価した.またドレーン排液培養検査陰性例と陽性例との背景因子の比較に基づいて,培養検査陽性化に関与する因子について検討した.
【結果】ドレーン排液の培養検査陰性例と陽性例はそれぞれ71例(76.3%),22例(23.7%)であった.陽性例において同定された汚染細菌は,Enterococcus属の頻度が最も高かった.培養検査陰性例と陽性例との比較では,陽性例において男性(77.7% vs 52.1%),soft pancreas(68.2% vs 39.4%),胆管ドレナージチューブ内瘻化(93.8% vs 69.0%)症例の割合が有意に高く,主膵管が有意に細かった(3.4±1.5mm vs 4.6±2.0mm).またISGPF grade B/C POPFは全93例中21例(22.6%)に認められ,その発症率は培養検査陽性例において有意に高かった(59.1% vs 11.3%).多変量解析にてドレーン排液の培養検査陽性化に関与する因子を解析すると,「胆管ドレナージチューブ内瘻化」が唯一の独立規定因子であった.
【結語・考察】術後ドレーン排液の培養検査結果は,grade B/C POPF発症の予測因子である可能性がある可能性が示され,またドレーン培養検査陽性化に関与する因子として「胆管ドレナージチューブ内瘻化」が同定された.この結果に基づいたPOPF対策が重要であると考えられた.
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