演題

PJ11-1

膵頭十二指腸切除における,Shear Wave Elastographyを用いた膵硬度評価と術後膵液漏の関連性の検討

[演者] 藤森 聰:1
[著者] 村上 雅彦:1, 青木 武士:1, 古泉 友丈:1, 山田 宏輔:1, 松田 和広:1, 和田 友祐:1, 五藤 哲:1, 渡辺 誠:1, 大塚 耕司:1
1:昭和大学医学部 消化器・一般外科学

【はじめに】膵頭十二指腸切除術(PD)の術後合併症で最も注意すべきは,膵液漏であり,その危険因子の1つとして挙げられるのがsoft pancreasである.soft pancreasの評価は膵繊維化を反映した膵硬度を術中に評価することで規定されるが,術者の主観によって決められ客観性に乏しい.今回我々は超音波診断装置を用いShear Wave Elastographyを導入,膵硬度を評価し,膵液産生能,膵液漏との関連性を検討したので報告する.【方法】2015年3月から2016年11月までに当科でPDを施行した49例中測定が可能であった10例を対象とした.超音波診断装置Aplio(東芝)を使用.術直前にコンベックスプローベを用い体外式にShear Waveモードを用いて,門脈前面の膵実質をターゲットに膵硬度を測定,次に術中膵臓が露出された時点で,リニアプローベにて,同一部位の膵硬度を測定した.膵液産生能は膵管チューブからの24時間排液量を測定した.また,膵液漏の有無についてはISGPFの定義を用い評価した.【結果】10例中9例において,術前体外式超音波検査で測定した膵硬度値と術中膵臓に直接プローベをあてた値とが一致した.膵硬度が9.7~25.3kPaであった8例がsoft pancreas,31.6~79.3kPaであった2例がhard pancreasと術中評価され,Shear waveモードを用いた膵硬度が術中所見と一致した.膵液産生能はsoft群で平均193ml(91-364)であったのに対しhard群は32ml(28-36)であった.術後膵液漏はsoft群でgrade A:2例,grade B:1例であったのに対しhard群は1例も認めなかった.【まとめ】Shear wave Elastographyを用いた膵硬度評価は膵の繊維化を客観的に評価する上で大変有用と考えられた.また,この膵硬度評価が膵液産生能や術後膵液漏リスクを反映する可能性が示唆された.
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