演題

PJ10-6

膵頭十二指腸切除術(PD)後の術後出血の検討

[演者] 篠藤 浩一:1
[著者] 岡崎 靖史:1, 尾崎 正彦:1
1:独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院 外科

膵頭十二指腸切除術後の合併症としての術後出血は極めて重篤な合併症であると同時に発症する時間帯もまちまちである.
当院の様な一般市中病院では常に速やかに放射線科医師の対応が可能であるわけではないため外科医が緊急に止血手術を行わなければならない状態になることがある.
今回当院で経験した2005年1月から2015年1月までに経験した膵頭十二指腸切除術92例中術後出血を来した症例は5例認めており,原疾患としては膵頭部癌2例,下部胆管癌2例,十二指腸乳頭部癌2例であった.
術後出血は,初回手術より最短第7病日から最長第68病日で中央値18日であった.術後出血を惹起した原因としては,全例が膵腸吻合の縫合不全による膵液瘻が原因であった.
術後出血に対する治療法としては,IVRでの止血術は2例に施行し1例は止血し得たものの1例は再出血を来しため緊急開腹止血術を施行した.
術後出血例全例が胃十二指腸動脈断端よりの出血であった.IVR例は総肝動脈より固有肝動脈をTAEを行っており,緊急開腹止血術例の術式は3例に総肝動脈及び固有肝動脈結紮術を施行し1例に縫合止血術を施行した.不可手術として1例は膵外瘻としていた.全例にサンプチューブによる低圧持続吸引ドレナージ法を施行した.
転帰としては,IVR例の1例および開腹止血術例の3例の計4例が軽快退院となったが,開腹止血術の1例は手術後約半年で癌再発による在院死された.
当院のような一般市中病院においてはIVR困難症例や病院の諸事情等により開腹止血術を選択せざるを得ない場合もあるためIVR例が行えない場合に備えて緊急開腹止血術は習得すべき術式であると考えられた.
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