演題

PI12-5

膵損傷に対する十二指腸切開下での膵管造影+膵管ステント留置の有用性

[演者] 松田 真輝:1
[著者] 澤野 誠:1, 大河原 健人:1
1:埼玉医科大学総合医療センター 高度救命救急センター

【背景】
CTで膵損傷が疑われた場合,ERCPで主膵管損傷の有無を判断し,それに伴い術式が決定される.しかし,膵温存を企図した場合の術式については一定の見解が得られていない.当施設では,膵損傷に対し膵温存を企図した場合は,十二指腸切開を置いて,乳頭部から膵管造影を行い,主膵管損傷の有無を確認する.主膵管損傷があれば,先端部が損傷部を超えるように膵管ステントを留置する.また主膵管損傷がない場合でも,原則的に減圧目的で膵管ステントは留置している.膵管ステントは経皮経胃的完全外瘻化して,長期間の留置にも対応できるように工夫している.
【方法】
2007~2016年の期間で,膵損傷に対して膵温存を企図し,十二指腸切開にて膵管造影を施行し,膵管ステントを留置した症例を対象として,術式および治療成績を検討した.
【結果】
10例が該当し,年齢の中央値は32.5歳,ISSの中央値は19であった.損傷部位としては,頭部が6例,体部が4例であり,損傷分類ではⅢbが3例,Ⅲaが1例,Ⅱが6例であった.全例で膵管造影を施行し,主膵管損傷を合併した症例は3例であった.術式は膵縫合が7例,減圧のみが2例であり,1例で温存を断念し膵体尾部切除を施行した.全例が生存し,追加で膵切除を行った症例はなかった.膵液漏はISGPF grade Aが1例,grade Bが7例に合併した.十二指腸切開閉鎖部の縫合不全や通過障害を合併した症例はなかった.
【結論】
十二指腸切開による膵管造影・膵管ステント留置は非常に簡便であり,かつ安全に施行できる.また主膵管損傷を合併していても,膵管ステント先端が損傷部を超えて留置できれば膵温存を期待でき,本術式を膵損傷に対する膵温存の術式の一つとして紹介したい.
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