演題

PI12-3

膵炎の合併症に対し外科的加療が有効であった二例 ―膵性胸水およびwonに対する外科的治療―

[演者] 高橋 深幸:1
[著者] 末松 友樹:1, 山岸 俊介:1, 兼松 恭平:1, 齋藤 洋之:1, 中山 真緒:1, 深堀 道子:1, 森田 晃彦:1, 若林 和彦:1, 伊藤 豊:1
1:災害医療センター 消化器・乳腺外科

症例1は75歳男性. タール便を主訴に他院より当院転院搬送となった. 精査の結果アルコール性慢性膵炎から巨大な膵石の嵌頓が生じ, 膵尾側に仮性膵嚢胞を形成し皮下から左胸腔まで連続する感染性仮性膵嚢胞となっていた. 内科で胸腔ドレナージ, 皮下ドレナージを施行し, 内視鏡的膵管ドレナージを試みたが膵石の嵌頓で困難であり外科的加療の方針となった.手術は膵尾側切除と瘻孔閉鎖術を施行した. 皮下, 胸腔への瘻孔は一カ所のみで左横隔膜近傍で確認でき, これを閉鎖し大網で被覆した. 術後合併症の出現なく術後24日目に退院となった.
症例2は38歳男性. 胆石性の重症膵炎で近医より転院搬送された. 重症膵炎後に生じた膵仮性嚢胞に対し内科および放射線科でドレナージ施行したが感染コントロールに難渋し感染性膵仮性嚢胞と十二指腸で瘻孔を形成した. 外科的加療の方針となり感染を合併したwalled-off necrosisの状態となったところでnecrosectomyと胃空腸吻合, 胆嚢摘出術を施行した. 術後は嚢胞内に留置したドレーンの洗浄を継続し術後51日目に退院となった.
両症例共に経皮的ドレナージでコントロールが不十分であり, かつ外科的加療のタイミングについても検討が必要であったが, 外科的加療が非常に有効であったため文献的考察を加えて報告する.
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