演題

PI10-7

当院における残膵癌切除症例の検討

[演者] 吉岡 茂:1
[著者] 塩原 正之:1, 若月 一雄:1, 新井 周華:1, 須田 浩介:1, 宮澤 康太郎:1, 相田 俊明:1, 三好 哲太郎:1, 高橋 佳久:1
1:千葉市立海浜病院 外科

【はじめに】膵癌治癒切除術後に残膵癌を発症する症例は少なく,さらにその再切除術の報告例はまれである.
【目的】膵癌術後の残膵癌に対する外科的切除の治療成績,その切除意義について検討する.
【方法】対象は2000年から2016年までに当科で膵切除術を行った膵癌症例65例中,残膵癌を発症し切除しえた4例の治療成績,予後について検討した.
【成績】男性2例,女性2例,平均年齢62.5歳,初回手術対象疾患は4例全例が浸潤性膵管癌,術式は亜全胃温存膵頭十二指腸切除術(SSPPD)2例,膵体尾部切除術(DP)2例でいずれもR0手術が施行されていた.術後補助化学療法は,全例に施行した.(GEM:2例,UFT+GEM:1例,S-1:1例) 初回手術から2回目手術までの期間中央値は31.5か月(16~129か月)であり,2回目手術はSSPPD後残膵全摘1例,DP後残膵全摘2例(2例門脈合併切除併施),SSPPD後膵尾部切除術1例であった.病理組織学的所見は全例浸潤性膵管癌で,高分化型腺癌2例,中分化型腺癌2例,膵断端再発例はなかった.進行度(膵癌取扱い規約第7版)はT3N0 StageⅡA:2例,T3N1 StageⅡB:2例.手術時間中央値は348.5時間(223~650時間),出血量中央値は950g(381g~1160g)であった.Clavien-Dindo分類Ⅲa以上の合併症(胆汁漏)を1例に認めた.術後在院日数中央値は33日(10~57日)であった.術後補助化学療法は全例行っていない.術後全例インスリン投与で血糖コントロール可能であり,重篤な低血糖は認めていない.残膵切除後の観察期間中央値は10か月(2~34か月).4例中2例は残膵切除後6か月,14か月後に再発死亡しているが,2例は残膵切除後2か月,34か月現在無再発生存中である.
【結語】膵癌切除後の残膵癌に対する切除術は比較的安全に施行できた.長期生存を望める症例もあり,切除可能であれば積極的に切除すべきと思われた.


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