演題

PI10-6

膵癌術後における残膵切除例6例の検討

[演者] 前田 栄:1
[著者] 濱 直樹:1, 宮本 敦史:1, 植村 守:1, 三宅 正和:1, 西川 和宏:1, 平尾 素宏:1, 池田 正孝:1, 関本 貢嗣:1, 中森 正二:1
1:大阪医療センター 外科

【はじめに】膵臓癌の手術後再発は肝転移が最も多いが,まれに残膵に再発もしくは,新規病変が発生することがある.残膵癌切除の意義については一定の見解は得られていないが,当院では膵癌術後の残膵に発生した膵癌については,根治切除可能例においては残膵切除を行う方針としている.当院で施行した残膵切除例について術後合併症及び,長期予後について検討した.【対象と方法】2009年から2016年までの8年間に,通常型膵癌術後の残膵に発生した膵癌に対して残膵切除を行なった6例を対象とし,手術成績および,予後について検討を行った.
【結果】残膵切除を行なった6例中5例は初回に亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行されており,1例は体尾部切除を施行されていた.残膵癌の発生部位としては膵体部4例,膵頭部1例,膵尾部1例であった.初回手術時から残膵癌発生までの中央値は21ヶ月であり,5例に残膵切除前に化学療法が施行され,初回手術から残膵切除までの期間は29.5ヶ月であった.残膵切除時の手術時間は326(±173)分,出血量は468(±537)mlであり,R0切除が5例,R1切除が1例に施行された.前回切除膵断端から距離がなく病理学的に局所再発と診断された症例は1例であり,2例に遺伝子検査が行われ,1例は新規発生と判定されたが,1例は判定困難であった.3例については新規発生病変か再発病変かを明確に判定することは困難であった.術後合併症はClavien-Dindo分類II以上は腹腔内膿瘍を1例に認めたが,術関連死は0例であった.残膵切除後は5例にGEM単剤もしくはnab-PTXの併用投与が行われ,3例に転移再発(肝1例,肺1例,骨1例)を認め,2例が原病死,1例が他病死,3例は生存中であった.残膵癌発生後の全生存期間は39ヶ月で,初回手術からの全生存期間は67.5ヶ月であった.
【考察】
通常型膵癌術後の残膵に発生した膵癌は膵内転移であるか新規発生であるかを区別することは容易ではないが,病変が残膵のみであり,根治切除が可能であれば,残膵切除は比較的安全に施行でき,予後改善が期待される.今回は6例の検討であり,更なる症例の蓄積が必要とかんがえられる.
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