演題

PI10-5

通常型膵癌術後の残膵癌の検討

[演者] 渡邊 利広:1
[著者] 河野 道久:1, 高橋 良輔:1, 外田 慎:1, 菅原 秀一郎:1, 手塚 康二:1, 平井 一郎:1, 木村 理:1
1:山形大学医学部 消化器・乳腺甲状腺・一般外科学

【背景】IPMN由来浸潤癌の残膵にIPMN由来あるいは通常型膵癌が発生することは少なくない.しかし通常型膵癌術後の残膵癌はそれほど多くはなく,その外科治療適応については議論の余地があると思われる.
【目的】当科で経験した通常型膵癌術後の残膵癌について臨床病理学的特徴を検討した.
【対象】2001年から2015年までに通常型膵癌で膵切除術を施行したのは124例であった.そのうち残膵癌と診断したのは6例であった.
【結果】膵頭十二指腸切除(PD)後の残膵癌が3例でうち2例に,膵体尾部切除(DP)後が3例でうち2例に残膵全摘術を施行した.初回手術から4.8年目で新規発生したと思われる症例はPD後の症例で慢性膵炎が背景にあった.術後1.9年で原病死した.膵内転移と診断したものは3例でそれぞれ1.4年,3.5年,0.6年目で2回目の手術を施行したが,術後1.3年,1.3年,1.1年で原病死した.膵内転移のうち1例は残膵に3か所の多発病変を認めた.非切除となった2例は断端再発と診断されており,高度神経周囲浸潤を伴う症例であった.初回手術から2.6年と2.3年,再発日から0.7年,1.5年で原病死した.
【考察】新規発生症例は長期生存が見込まれるという報告が散見され,手術適応を考慮してもよいと思われた.慢性膵炎は異時性多中心性発癌の危険因子である考えられており,このような症例では厳重な長期の経過観察が必要で,早期発見と手術が長期生存に寄与すると思われた.膵内転移による残膵癌は切除したとしても予後不良であり,外科治療を企図するならば術前治療などを考慮するべきと思われた.
【結語】残膵癌は切除しても予後不良であり,外科治療適応は慎重にすべきと思われた.新規発生と診断可能であれば積極的な外科治療で長期生存が得られる可能性があると思われた.
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