演題

PI10-4

当科における残膵全摘症例の検討

[演者] 田中 守嗣:1
[著者] 山本 稔:1, 犬飼 公一:1, 野々山 敬介:1, 原田 真之資:1, 藤幡 士郎:1, 宮井 博隆:1, 高嶋 伸宏:1, 清水 保延:1, 北上 英彦:1
1:刈谷豊田総合病院 消化器・一般外科

目的;膵切除後の残膵に発生した病変に対する全摘症例について検討した.
対象:2006年1月から2016年6月に当科で経験した残膵全摘7例
結果;7症例すべて男性で,初回手術病変は,IPMA4例,仮性膵嚢胞1例,下部胆管癌1例,膵扁平上皮癌1例であった.残膵全摘時の平均年齢は74歳で,7例中6例に糖尿病を認めた.症例1:IPMAにてPD施行後,糖尿病悪化のため精査し,膵癌の診断にて残膵全摘施行(初回手術22年後)したが,浸潤性膵管癌(StageIVa)であった.6ヶ月後に死亡した.症例2:IPMNにてPPPD施行後,糖尿病悪化のため精査し,IPMCの診断にて残膵全摘施行(初回手術17年後)したが,IPMN由来の浸潤性膵管癌(StageIII)であった.1年6ヶ月後に死亡した.症例3:IPMNにてDP施行後,胆嚢腺筋症にて1年に1回フォローしていた.膵管拡張を指摘され精査し,主膵管型IPMNと診断し,残膵全摘施行(初回手術12年後)したが,IPMAであった.全摘後4年6ヶ月で生存中である.症例4:仮性膵嚢胞にてDP施行後,黄疸にて精査,下部胆管癌の診断で残膵全摘施行(初回手術27年後)したが,下部胆管癌(StageII)であった.全摘後1年11ヶ月で死亡した.症例5:下部胆管癌にてPPPD施行後,外来定期経過観察中糖尿病悪化のため精査し,膵癌の診断で残膵全摘施行(初回手術4年4ヶ月後)したが,浸潤性膵管癌(StageIII)であった.全摘後3年10ヶ月で無再発生存中である.症例6:膵扁平上皮癌にてSSPPD施行後で,糖尿病悪化のため精査し,膵癌の診断で残膵全摘施行(初回手術7年7ヶ月後)したが,残膵病変は初回病変と類似した膵管癌であった.全摘後4年で無再発生存中である.
症例7:胃癌術後,IPMAにて幽門側胃切除施行後でIPMNの診断にて残膵全摘施行(PD施行後6年5ヶ月)したが,慢性膵炎であった.全摘後6ヶ月で無再発生存中である.
結語:IPMNには当科の症例のように,長期間経過後に膵内多中心性発生,通常型膵癌を合併する可能性があり,発見が遅れぬよう定期的なフォローが必要と考えられた.また,膵癌,胆道癌においても残膵癌発生の可能性を考慮しフォローする必要があると考えられた.
詳細検索