演題

PI10-2

残膵全摘症例の検討

[演者] 浦上 淳:1
[著者] 髙岡 宗徳:1, 猶本 良夫:1, 岡本 由佑子:2, 上野 太輔:2, 河合 昭昌:2, 窪田 寿子:2, 東田 正陽:2, 松本 英男:2, 上野 富雄:2
1:川崎医科大学附属川崎病院 外科, 2:川崎医科大学附属病院 消化器センター消化器外科

【はじめに】膵切除後の残膵に発生した病変に対して残膵全摘を行い二期的に膵全摘となった症例を10例経験したので報告する.【結果】女性3例,男性7例.残膵全摘となった平均年齢は68.6歳(63-77歳).初回診断が浸潤性膵管癌であったのは8例で,他はIPMCと遠位胆管癌であった.初回手術は膵体尾部切除5例,膵頭十二指腸切除5例(2例は門脈合併切除)であった.残膵全摘までの期間は2か月から217か月,残膵病変はいずれも浸潤性膵管癌であった.残膵全摘後の予後は4例が生存中(4-42か月)で,他の6例の再手術後生存期間中央値は19か月(10-36か月)であった.①残膵全摘までの期間が2か月の症例は病理の結果,病変が多発性で,頭部から体部まで散在性に存在した.膵管チューブからの膵液細胞診でClass-Vと診断され,膵体尾部切除を行った.膵体尾部にも同様の病変が散在性に認められた.②初回診断がIPMCの1例は体尾部切除を行っており残膵全摘までの期間は18年で,残膵病変は浸潤性膵管癌であった.③初回診断が遠位胆管癌の1例は膵頭十二指腸切除を行っており残膵全摘までの期間は7年で,残膵病変は浸潤性膵管癌であった.初回診断が浸潤性膵管癌であった8例のうち3例は3年以上の長期生存がえられていた.【結語】浸潤性膵癌術後の残膵follow upはもちろんだが,長期予後を期待できるIPMNに関しても.残膵に同様の病変または浸潤性膵管癌が発生する可能性があり,定期的に膵臓の精査が必要と考えられた.初回が浸潤性膵管癌での残膵再発でも長期生存が得られる可能性があるので,残膵病変が疑われた際は残膵全摘を考慮すべきと思われた.
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