演題

PI10-1

膵癌切除後局所再発例に対する再膵切除の有用性

[演者] 東原 琢:1,2
[著者] 吉富 秀幸:2, 加藤 厚:1,2, 羽鳥 隆:1, 首村 智久:1, 池田 佳史:1, 似鳥 修弘:1, 加藤 亜裕:1, 大塚 将之:2, 宮崎 勝:1,2
1:国際医療福祉大学三田病院 外科・消化器センター, 2:千葉大学大学院 臓器制御外科学

【背景】近年,膵癌に対しては化学療法を中心とした治療法の進歩が目覚ましいが,依然として予後は不良であり,外科切除後5年生存率は15-20%である.ただし残膵をはじめ再発部位によっては再切除による外科治療によって長期生存も報告されている.
【目的】膵癌術後再発に対する再膵切除の有用性および適応について検討する.
【方法】2008年1月から2016年10月にかけて膵管癌術後再発に対して当該2施設において再膵切除を施行した15症例を対象に,予後と臨床病理学的因子について検討した.
【結果】平均年齢は66.2歳 (40-80)であり,男女比は8:7であった.初回切除時は高分化型: 中分化型: 低分化型 5: 8: 2であり,再膵切除時は3: 11: 2であった.初回切除時と再膵切除時で同じ組織型であった症例は11例 (73.3%)であった.
膵癌取扱い規約第6版におけるstageIV症例は9例 (60.0%), N0症例は7 例 (46.7%)であった.再膵切除時の術式は膵体尾部切除後の残膵全摘 (DP→TP)が2例 (13.3%),膵頭十二指腸切除後の残膵全摘(PD→TP)が13例 (86.7%)であり,11例 (73.3%)においてR0切除が施行された.初回切除時から再発までの期間は中央値31.9か月 (11-112)であり,再膵切除時からの生存期間は中央値14.2か月 (3-97)であった.
局所進展度因子の中でPL0症例 (n=11)では再膵切除後の生存期間はPL1症例 (n=4) に対し有意に予後の延長を認めた (p=0.012).一方,A1症例 (n=5)とA0症例 (n=10)の予後に有意差はなく (p=0.67),PV1症例 (n=6)もPV0症例 (n=9)と比較して予後に差は認めなかった (p=0.31).N0症例 (n=7)では再膵切除後の生存期間はN1 症例 (n=8)と比較して有意に延長を認めた (p=0.014).さらにR0切除症例でも同様に予後延長を認めた (p=0.026).またPD→TPとなった症例はDP→TPとなった症例と比較して有意に予後延長を認めた (p=0.011).初回切除時から再発までの期間と生存期間には有意な相関は認めなかったものの,初回膵切除より4年以上経過して再発した症例では無再発長期生存例が多かった.
【結論】膵癌術後再発において再膵切除を施行する場合,脈管浸潤よりも膵外神経叢浸潤やリンパ節転移を有する症例の方が予後に影響を及ぼすことがわかった.そのため適切な症例を術前に選択した上で,R0手術を行うことが肝要であると考えられた.
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