演題

乳癌再発治療中に膵癌と胃癌の手術を施行した2症例の治療経験

[演者] 田村 光:1
[著者] 藤尾 俊允:1, 足立 陽子:1, 谷 紀幸:1, 五十嵐 高広:1, 河島 俊文:1, 青木 真彦:1, 城戸 啓:1, 小島 正夫:1, 水沼 仁孝:2
1:那須赤十字病院 外科, 2:那須赤十字病院 放射線科

症例1は,50歳女性.2004年9月他医で左乳癌T1N0 M0 stageⅠにてBp+AX施行.病理は,scirrhous ca, n0,
ER+.PgR+, HER2-,術後残存乳房に対する照射50Gy施行.薬物療法として,タモキシフェンを2年5か月内服(途中アリミデックスの時期あり)した.2008年11月乳癌再発(腋窩,鎖骨上,縦隔リンパ節,肺)を認めたため,LHRH agonist+TAM開始.ホルモン療法により一旦軽快するも,再度増悪するという状況が繰り返され,LHRH agonist+Letrozole, LHRH agonist+exemestane, MPA, Fulvestrant等が施行された.2010年6月左腋窩に照射(50Gy/25Fr)施行.2011年2月右足中足骨骨転移による病的骨折に対して,右足に照射(30Gy/10Fr)を受けている.前医への通院が困難となったため,2013年1月当科紹介となった.当科でFulvestrant継続しつつ,経過を見たが,2013年3月のCTで膵尾部主膵管の拡張を認め,膵体部に長径6mm大の低濃度結節を認め,腫瘍による閉塞が疑われた.2013.7膵体尾部切除施行.病理は,低分化腺癌,PCM-, DPM-,INFγ,ly0, v3, ne1,n+(#11d(1/2), #18(1/2))であった.術後TS-1内服開始.2013年10左鎖骨上窩転移で照射(40Gy/20Fr)施行された.2014年4月御家族の転居の関係で他医へ紹介となり,Paclitaxel+avastinが開始となった.症例2は,51歳女性.1999年に他医で左乳癌の手術を受けた.2010年9月右側胸部皮膚転移で摘出.Scirrhous ca, ER+,PgR+, HER2 1+にてリュープリン+TAM開始.2014年2月右腋窩リンパ節増大を認め,リュープリンとアリミデックスに変更.生検結果でER+,PgR+, HER2-であった.2014年5月からフェソロデックス開始.骨転移増悪で2015年4からTS-1開始.リンパ節転移増悪,肺転移の出現などにより2016年1月からハラヴェン開始.2016年9月黒色便みられ,胃カメラ施行.胃体中部前壁に頂部が潰瘍となったSMT様隆起を認めた.生検結果(ER-,PgR-,HER2-,por~signet ring cell ca)とPETの結果から胃原発と考えられたため,2016年10月胃全摘施行.病理は,Advanced gastic cancer, type1(tub2,pSE, ly3,v1,INFβ,int,pPM-,pDM-,n+(N03(1/3),NO7(2/5)であった.術後weeklyPTX再開している.乳癌再発治療中に消化器癌が発生した場合は,両癌の治療内容や予後について,十分考慮の上,消化器癌を切除するという選択肢も検討すべきと思われた.
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