演題

R-CHOP療法により完全寛解した後遅発性に高度瘢痕狭窄をきたし胃全摘を要したStageⅣ胃悪性リンパ腫の1例

[演者] 神宮 和彦:1
[著者] 植松 武史:1, 平山 信男:1, 浦濱 竜馬:1, 鎌田 敏希:1
1:久喜総合病院 外科

B細胞性リンパ腫に対する標準治療はR-CHOP療法であり進行期でも治癒が期待できるが,消化管原発の場合は出血,穿孔,狭窄のために手術を要することがある.今回われわれは,進行期胃びまん性大細胞リンパ腫(DLBCL)に対してR-CHOP療法を行い完全寛解が得られた後,遅発性に胃に高度狭窄をきたし胃全摘を要した症例を経験したので報告する.症例は55歳男性で,心窩部痛,経口摂取困難,呼吸困難で当科紹介受診.るいそう著明で心窩部に腫瘤を触知し,重度の貧血と呼吸不全を認め入院.精査の結果,噴門部から胃体部に及ぶ胃DLBCLで,肝,横行結腸,横隔膜,後腹膜に浸潤し,胸水にも腫瘍細胞陽性で,Lugano分類StageⅣの診断となる.全身管理しつつR-CHOP療法行ったところ著効し,5コース終了時には全身状態改善し食事摂取も可能となり退院.退院後外来でさらに3コース施行し寛解が得られたため治療終了.その後再燃なく経過したが再度狭窄症状出現し徐々に悪化.PET-CTも含めて精査行い再発は否定的であったが経口摂取困難となる.このためR-CHOP療法終了後15ヶ月後となるが胃の瘢痕性狭窄の診断で開腹した.胃は線維化し著明に萎縮し膵と横行結腸間膜に癒着していたが,腹腔内に再発を示唆する所見なく胃全摘術を施行した.病理組織検査の結果,リンパ腫の遺残なく化学療法後の瘢痕狭窄の診断となった.術後1年経過するが再発なく健在である.文献的に,胃悪性リンパ腫のR-CHOP療法中や治療後早期に瘢痕性の狭窄をきたし手術を要した症例を散見するが,本症例のように治療終了後遅発性に発症することもあり,若干の文献的考察を加えて報告する.
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