演題

cStageⅠAの胃癌に対し腹腔鏡下胃部分切除術を施行した5例

[演者] 公盛 啓介:1
[著者] 渡辺 卓央:1, 嘉数 彩乃:1, 三箇山 洋:1, 神 康之:1, 蓮尾 公篤:1, 益田 宗孝:2
1:秦野赤十字病院 外科, 2:横浜市立大学医学部 外科治療学

【はじめに】
日本胃癌学会の胃癌治療ガイドライン(第4版)によると,cStageⅠAの胃癌に対する標準治療は内視鏡的切除,もしくは胃切除+リンパ節郭清である.しかしながら,内視鏡治療ができない症例や,リンパ節郭清がover surgeryとなる症例も多く存在する.リンパ節郭清を伴わない腹腔鏡下胃部分切除の報告は少ない.
【対象】
当院にて2005年1月から2009年までの5年間でcStageⅠAの胃癌に対して手術をした52例のうち,全身状態から標準治療の胃切除+リンパ節郭清に耐えられないと判断し,腹腔鏡下胃部分切除を施行した5例を対象とし,その周術期成績と長期成績を調査した.
【結果】
リンパ節郭清を伴わない腹腔鏡下胃部分切除を施行した5例は,男性が4人,女性が1人で,平均年齢69.2歳(49-81歳)であった.部位別では胃角前壁1例,胃体上部小弯1例,胃角部小弯1例,胃前庭部後壁2例であった. 5例の術前診断は,cT1aN0M0 0-Ⅱa 10mm,cT1aN0M0 0-Ⅱc 15mm,cT1aN0M0 0-Ⅱc 10mmが1例ずつとcT1aN0M0 0-Ⅱa+Ⅱc 10mmが2例であった.手術時間は平均106分(77-176分)で,全例腹腔鏡で完遂され術中合併症は認めなかった.術後4.2日(2-8日)で食事を開始し,術後在院日数は13.8日(11-17日),術後合併症は認めなかった.最終病理はpT1a(M)が3例, pT1b(SM)が1例,胃腺腫が1例であった.1例は術後1年6か月で他病死したが,他4例は5年以上,再発なく経過している.
【結論】
腹腔鏡下胃部分切除術は,cStageⅠA胃癌の治療において有用な選択肢となりうる可能性が示唆された.
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