演題

クローン病 十二指腸病変に対する手術例の臨床的検討

[演者] 江坂 和大:1
[著者] 中山 吾郎:1, 田中 千恵:1, 小林 大介:1, 山田 豪:1, 杉本 博行:1, 小池 聖彦:1, 藤井 努:1, 藤原 道隆:1, 小寺 泰弘:1
1:名古屋大学大学院 消化器外科学

【はじめに】クローン病 (CD)の十二指腸病変の合併頻度は,治療を要しない軽微なものを合わせると約 75%と高率であるが,外科的治療を必要とする症例は比較的稀である.今回,当科において外科的治療を必要とした十二指腸病変を主体とするCD症例について検討を行ったので報告する.
【方法】2000年から 16年間に当科で手術を施行したCD患者 279例のうち,十二指腸病変を有した 12例 (4.3%)を対象として,背景因子,臨床所見,施行術式,治療成績について後ろ向きに検討を行った.
【結果】原発性病変が 4例(33%),続発性病変が 8例 (67%)であった.原発性および続発性病変の男女比は 4:0 / 7:1,年齢中央値は 22 / 37歳,病悩期間中央値は 1.3 / 13.0年で,続発性病変で有意に手術時年齢が高く,病悩期間が長い傾向を認めた.原発性病変の 2例 (50%),続発性病変の 6例 (75%)に手術既往を認めた.病変部位は原発性では十二指腸第1部が 3例 (75%),第3部が 1例 (25%)であるのに対し,続発性では全例で第2-3境界部であった.また,手術適応となった病態は原発性では全例が狭窄であったのに対し,続発性では全例が瘻孔であった.続発性病変の瘻孔部位は,回腸結腸吻合部-十二指腸瘻が 4例 (50%),横行結腸-十二指腸瘻が 3例 (37%),回腸-十二指腸瘻が 1例 (13%)であった.施行術式は,原発性では全例にバイパス術が施行されており,続発性では原発腸管切除,十二指腸瘻孔切除および十二指腸の欠損孔が 3cm未満の症例では単純縫合閉鎖 (3例),3cm以上の症例では欠損孔と空腸の吻合術 (5例)が施行された.術後経過はいずれの症例も良好で,縫合不全,通過障害,瘻孔再発等は認めておらず,再手術例は認めていない (観察期間中央値 54ヶ月).
【結語】CD十二指腸病変における原発性病変と続発性病変では,背景因子や病態・病変部位が異なり,それぞれの特徴に応じて臨機応変な術式を考慮することが重要であると考えられた.
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