演題

当院における胃十二指腸潰瘍穿孔に対する腹腔鏡手術と開腹手術の比較

[演者] 野口 智史:1
[著者] 大村 悠介:1, 川村 幹雄:1, 岩田 崇:1, 渡部 秀樹:1, 尾嶋 英紀:1, 毛利 智美:1, 伊藤 秀樹:1, 池田 哲也:1, 登内 仁:1
1:三重県立総合医療センター 外科

【背景】腹腔鏡下手術の普及に伴い胃十二指腸潰瘍穿孔に対する腹腔鏡手術(LS)と開腹手術(OS)の比較がなされLSの有用性が示唆されている.しかし,LSとOSの選択に関しては明確な基準が確立しておらず,施設間に差があるのが現状である.
【対象と方法】2005年~2015年まで胃十二指腸潰瘍穿孔に対して腹腔洗浄ドレナージ+穿孔部閉鎖+大網被覆(大網充填)を行った83例(LS群48例,OS群35例)を対象とした.LSの手術適応をショック状態でない,ASA2以下の患者とした.手術時間,出血量,術後在院日数,経口摂取開始までの期間,合併症発生率を比較検討した.
【結果】患者背景としてLS群で年齢が若く,術前CRPが低かったが,性別や術前白血球値に差は認めなかった.手術時間はLS群:OS群=102.02±4.65:76.91±5.15分(p<0.05),出血量はLS群:OS群=14.40±9.98:69.4±47.28ml(p<0.05),術後在院日数はLS群:OS群=13.13±8.00:25.57±4.02分(p<0.05),経口摂取開始までの期間はLS群:OS群=5.06±2.05:15.6±4.09分(p<0.05)であった.LS郡では手術時間は長いものの,出血量,術後在院日数,経口摂取開始までの期間は有意に優れていた.
【考察】胃十二指腸潰瘍穿孔に対する腹腔鏡手術は出血量,術後在院日数,経口摂取開始までの期間は有意に短く有用な術式であると考えられた.しかし,開腹手術では重症例が多いため,術後在院日数や経口摂取開始までの期間が長くなっていることが考えられる.
【結語】適応基準をさらに検討する必要があるが,胃十二指腸潰瘍穿孔に対する腹腔鏡手術は有用であると考えられた.
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