演題

当院における進行胃癌に対する審査腹腔鏡・審査腹腔鏡+胃空腸バイパス術の検討

[演者] 芹澤 朗子:1
[著者] 谷口 清章:1, 小竹 将:1, 天野 久仁彦:1, 山田 卓司:1, 瀬下 明良:1, 山本 雅一:1
1:東京女子医科大学病院 消化器外科

【諸言】近年進行胃癌の腹膜転移検索のため,審査腹腔鏡(以下SL)は広く行われるようになってきた.当院では2012年から導入し,結果に基づき治療方針を決定している.また2016年以降,消化管狭窄を伴った症例に対しては,SL施行時に胃空腸バイパス術(SLバイパス),時に小腸瘻併設を行い,早期化学療法導入を目指している.当院でのSL・SLバイパス術の選択の妥当性について検討を行った.
【適応・対象】当院でのSLの適応は,①他臓器転移を認めず,cT4a(SE)以深と診断された進行胃癌症例,②cStageⅣであるが,化学療法後に根治切除可能か否かを判断する必要性がある症例としている.2011年10月から2016年11月にSLを行った進行胃癌症例58例,うちSLバイパス例7例に対し検討を行った.
【結果】
男性38例,女性20例,年齢の中央値68歳.
SL後診断は,P0CY0:34例,P0CY1:5例,P1CY0:2例,P1CY1:17例であった.
SLでP0と診断された39例中,26例は前治療なく手術を施行.手術時のP0は22例(84.6%),P1は4例(16.4%)であり,偽陰性率は16.4%であった.
その内訳は,横行結腸間の播種を手術時に認めた症例が1例,脾背面の腹膜に播種を認めた1例,化学療法後のsecond lookが2例であった.
P0CY0:34例のうち23例に前治療なく原発巣切除が施行され,11例に化学療法導入後の根治手術が選択された(cStageⅢ8例,cStageⅣ(#16)3例).そのうち10例で根治切除がなされた.
P0CY1:5例中2例は,他の非治癒因子を認めずConversion therapyを想定した化学療法が導入された.
SLバイパス例7例の内訳は,P0CY0:3例,P0CY1:2例,P1CY1:2例であった.そのうち6例に小腸瘻を併設,全例で良好な経口摂取と術後早期の化学療法が導入可能であった.
【考察】SLにより腹膜転移を診断でき,結果より適切な治療方針が選択できた.また消化管狭窄症例に対してはSLバイパスを行うことにより,すみやかに化学療法の導入が可能であった.SL・SLバイパスを行うことにより,進行胃癌への円滑な治療への導入がなされ,今後予後の延長が期待できると考える.
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