演題

長期生存中の胃癌腋窩リンパ節転移切除術後の1例

[演者] 井上 耕太郎:1
[著者] 栗﨑 貴:1, 松田 貞士:1, 多森 靖洋:1, 前田 健晴:1, 江上 寛:1
1:宇城総合病院 外科

【症例】68歳,男性.【経過】1988年から慢性腎不全,維持透析中であった.2010年4月,胃癌に対してD2郭清の幽門側胃切除術を行っている.最終診断は poorly differentiated tubular adenocarcinoma, type 0-I+IIc, T1b(sm), N2 (6/27), M0, P0, CY0, Stage IIAであった.補助化学療法は行わず経過観察中,2011年5月に左腋窩リンパ節腫大が認められた.4か月の経過観察の後,2011年9月に胃癌の孤立性左腋窩リンパ節転移と診断し切除術を行った.病理診断ではadenocarcinomaで胃癌の転移として矛盾しない所見であった.以降も,希望により化学療法は施行せず経過観察を行った.2016年9月まで,腋窩リンパ節切除より5年間無再発生存中である.【考察】胃癌胃切除術後に遠隔の腋窩リンパ節転移を切除して,長期生存中の維持透析症例を経験した.「胃癌,遠隔転移,長期生存」という点で,まれであり,報告例の多くは肝転移に対する集学的治療の結果である.遠隔のリンパ節転移症例,化学療法を施行していない症例での,長期生存例はさらにまれとなる.化学療法等を行っていない自然経過症例であるという点,維持透析中であるという点に文献的考察を加えて報告する.
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