演題

術後5年以後のリンパ節再発に3回郭清術を施行し9年生存中の胃癌の1例

[演者] 荒川 信一郎:1
[著者] 松友 将純:1, 阪本 研一:1
1:美濃市立美濃病院 外科

胃癌取扱い規約第14版では領域外リンパ節は遠隔転移と同様に扱われている.これらのリンパ節に転移再発を認めた場合,一般的には根治術の適応外とされ化学療法が施行される.今回我々は,術後5年以後にリンパ節再発を来たし,初回手術後5年2ヵ月・7年6ヶ月・8年2ヵ月の3回根治的リンパ節郭清術を施行し長期生存中の胃癌の1例を経験した.症例によっては胃癌リンパ節再発の治療において外科的リンパ節郭清も有効な選択肢であると考えられたため,若干の文献的考察を加え報告する.
症例は68歳時に胃体上部癌に対し胃全摘術(D2)が施行されT3(SE), N2, M0, stageⅢB, tub2, ly3,v1と診断された男性.術後うつ状態となり補助化学療法は施行せず経過観察となったが,術後5年2ヵ月目に大動脈周囲リンパ節に孤立性再発を認め郭清術を施行した(2回目の手術).組織診断はtub2であった.初回手術後7年3ヵ月目から腫瘍マーカー上昇および左頸部~鎖骨上窩に多発するリンパ節腫大を認め生検にて胃癌再発と診断されたため,初回手術後7年6ヵ月目に郭清術を施行した(3回目).その4ヶ月後より再び左頸部リンパ節の腫脹を認め生検にて胃癌再発と診断されたため初回手術後8年2ヵ月目に郭清術を施行した(4回目).頚部リンパ節郭清時の病理検査ではいずれも腺癌成分を認め胃癌再発と診断された.最終手術後1ヵ月目のCTで頸部リンパ節の軽度腫大を認めたためS-1による化学療法を導入したがコンプライアンス不良にて1コースで中止となった.二次治療としてweekly-paclitaxelを10コース施行したがStevens-Johonson症候群のため中止となり以後化学療法は行っていない.現在,初回手術後9年1ヵ月目であるが,画像上は明らかな再発を認めず,CEA,CA19-9は正常範囲内である.
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