演題

進行胃癌術後に特異な晩期再発を来たし切除術を施行した印環細胞癌の2例

[演者] 北野 悠斗:1
[著者] 大山 繁和:1, 武居 亮平:1, 牧田 直樹:1, 八木 康道:1, 古川 浩之:1, 大西 一朗:1, 萱原 正都:1
1:金沢医療センター 外科

【はじめに】胃癌の再発は,肝転移再発を除いて切除後の予後は不良であり,再発病巣切除の対象となることは少ない.今回われわれは,進行胃癌術後に残胃再発を来たし残胃全摘を行い,その後さらに晩期再発をきたし転移病巣の切除を行った興味ある2例を経験した.
【症例1】23歳時に進行胃癌に対して亜胃全摘術が施行され,Type4, por, SE, ly1, v0, OW+, AW-, N2, H0であった.25年後に残胃再発,病理所見はType4, por2>muc>sig, SE, ly2, v3, PM0, DM0, N0, M0, CY0であった.その11年後にめまい・嘔気症状を主訴に小脳腫瘍と左副腎腫瘍を指摘された.小脳腫瘍の切除標本で印環細胞癌を認め,胃癌の転移と考えられ,副腎腫瘍についても切除術を施行した.これも印環細胞癌の所見で,胃癌の転移再発と考えられた.術後の経過は良好で,現在経過観察中である.
【症例2】72歳時に進行胃癌に対して幽門側胃切除術を施行され,SE, tub2, por, sig, CY1であった.3年後に残胃再発,病理所見はType1, sig, MP, ly2, v1, N0, M0, CY1であった.粘膜下層を主体に広がる病変であり,胃癌の壁内転移再発と考えられた.その7年後に転移性大腸癌の診断で切除術を行った.病理所見は胃癌組織(sig)に類似した所見であり,免疫染色と合わせて胃癌の結腸転移再発と考えられた.術後2年で腹膜再発により死亡した.
【考察】胃癌の術後再発の多くは5年以内に見られ,10年以上の経過で再発する例は稀である.胃癌術後の晩期再発においては,初回手術時の組織型が低分化癌や未分化癌(印環細胞癌)が大部分を占め,SS以上の深達度やN2以上のリンパ節転移を伴う症例が多くみられる.今回われわれが経験した2例もこれらの傾向に概ね合致しており,いくつかの文献的考察を踏まえて報告する.
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