演題

上部消化管原発神経内分泌癌に対する治療成績の検討

[演者] 江頭 明典:1,2
[著者] 上原 英雄:1,2, 新里 千明:1,2, 楠元 英次:1,2, 橋本 健吉:1,2, 園田 英人:1,2, 坂口 善久:1,2, 楠本 哲也:1,2, 池尻 公二:1,2
1:九州医療センター 消化管外科, 2:九州医療センター がん臨床研究部

【背景】神経内分泌癌(NEC)は比較的稀な疾患であり,悪性度が高く予後不良である.疾患概念が広く周知され,小細胞癌や未分化癌とされてきた消化管原発NECについても,免疫組織学的手法により診断が確定するようになった.しかしながら,治療方針について明確な基準がなく症例に応じた治療がなされているのが現状である.
【目的】上部消化管原発の神経内分泌癌(NEC)の臨床病理学的特徴を解析し,治療効果について検討する
【対象】2005年以降,当院で手術を施行された食道および胃原発神経内分泌癌10例
【結果】
1. 臨床病理学的因子 平均年齢65.8歳,男性8例,女性2例.腫瘍占拠部位は食道Lt 1例,胃U領域2例,胃M領域 4例,胃L領域 3例,腫瘍肉眼型は,1型 1例,2型 9例,cStage I 2例,II 4例,III 4例.腫瘍マーカーはCEAが4例,CA19-9が2例で高値であった.術前に診断出来た症例は1例のみであった.
2. 治療 術式は中下部食道切除1例,噴門側胃切除2例,幽門側胃切除3例,胃全摘4例であった.術前化学療法を1例に,術後補助化学療法を6例に施行した.術前化学療法を行った食道原発切除borderline症例は治療が奏功し,根治切除可能となった.切除標本の病理診断にて小細胞型 4例,大細胞型 3例,複合型腺神経内分泌癌 3例であった.
3. 治療成績 再発を5例に認め,再発までの期間中央値は9ヶ月であった.再発部位は肝4例,リンパ節1例,腹膜播種1例(重複あり)であった.初回再発に対し4例に化学療法(CDDP/CPT 2例,XP 2例),1例に再発巣切除を行われた.全症例の生存期間中央値は27ヶ月であった.
【まとめ】
上部消化管原発NECは予後不良であり,進行症例では早期より再発,特に血行性転移を認めた.根治切除が重要であるが,治療成績向上のためには集学的治療が必要であると考えられ,補助化学療法の適応や化学療法レジメンの確立が重要である.
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