演題

当科で経験した胃リンパ浸潤癌7例の臨床的検討

[演者] 小笠原 紘志:1
[著者] 佐藤 健太郎:1, 谷地 孝文:1, 室谷 隆裕:1, 和嶋 直紀:1, 袴田 健一:1
1:弘前大学附属病院 消化器外科

胃リンパ浸潤癌は著名なリンパ球浸潤を背景として増生する特徴とする低分化腺癌で,Epstein-Barr virus(EBV)感染を効率に確認され,EBV関連胃癌に含まれる.胃癌取り扱い規約第14版で,これまでの低分化腺癌充実から新たに特殊型として扱われるようになった.まれな組織型であり,また術前診断も困難とされている.当科で切除された胃癌症例のうち2010年3月から2016年2月までに,7症例が胃リンパ球浸潤癌と診断された.これらを対象として臨床的特徴について検討した.年齢は平均63.4(48-79)歳,男性が6名であった.6例が胃上部あるいは中部で,1例は食道胃接合部の病変だった.生検で診断されたものは無く,いずれも中分化管状腺癌か低分化腺癌で,手術標本で確定診断を得た.深達度はM/SM/MP/SS/SE:0/3/2/0/2例でSE症例は2例ともリンパ節転移を認めた.脈管・リンパ管侵襲とも7例中5例と効率に認めた.全症例でEBER-ISH免疫染色を行いEBV陽性と判断した.全症例とも生存し外来通院しており,深達度SE症例は術後補助化学療法を行ったが,うち1例が術後8か月でリンパ節転移および腹膜播種と診断された.EBV関連胃癌は脈管侵襲やリンパ管侵襲の頻度が比較的少なく予後良好とされており,胃リンパ浸潤癌もまた同様であるとの報告を散見する.今回の7症例についてはリンパ節転移や再発症例もあり,更なる症例の集積と検討が必要である.
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