演題

乳頭腺癌(pap)切除例の臨床病理学的検討

[演者] 寺中 亮太郎:1
[著者] 滝口 伸浩:1, 鍋谷 圭宏:1, 池田 篤:1, 早田 浩明:1, 外岡 亨:1, 知花 朝史:1, 高山 亘:1, 千葉 聡:1, 星野 敢:1
1:千葉県がんセンター 消化器外科

【目的】乳頭腺癌(pap)は,胃癌取り扱い規約では一般型の分化型癌に分類されるが,管状腺癌(tub)とは異なった悪性動態を示すことも報告されている.今回当院での切除標本診断がpapであった症例について臨床病理学的に検討した.
【方法】2000年1月から2016年1月の胃癌手術症例について,papの進行度別頻度とともにtub(tub1+tub2)および未分化型腺癌(por1+por2+sig)と比較検討した.
【結果】papは55例であり,tub1381例,未分化型腺癌1215例をあわせた全体の2.07%だった.年齢の中央値は71(±10)歳であり男43:女12であった.papの深達度別分布はT1;19例,T2;9例,T3;16例,T4a;10例,T4b;1例であった.深達度T1-2の占める割合はpap;51.0%,tub;74.4%,未分化型;54.7%であった.腫瘍径ではpap;48.1±27.3mm,tub;38.6±25.2mm,未分化型;51.9±39.0mmで両者の中間に位置した.papでリンパ節転移は31例にみられたが,深達度別に転移率をみるとT1b;26.7%,T2;55.6%,T3;75.0%,T4;91.0%であり,他群と比較するとT1b(tub:未分化=15.0%:28.5%),T2(49.7%:48.6%),T3(73.7%:64.6%),T4(86.9%:80.5%)であり,深達度に対するリンパ節転移形成が他群よりも早期から発生していることが示唆された.ly2以上25.5%,v2以上52.7%であった.遠隔転移は7例で,腹膜播種が6例,肝転移が1例であった.papの5年生存率は,第14版規約に従うと,fStageI(A+B):94.1%,fStageII(A+B):57.1%,fStageIII(A+B+C):60.6%,fStageIV:0%であった.他群においては,fStageI(tub:未分化=90.1%:95.9%),fStageII(79.7%:87.4%),fStageIII(55.3%:47.7%),fStageIV(7.3%:11.2%)であり,fStageIIにおいてpapの5年生存率の悪化を認めた.
【結語】胃癌におけるpapは一般型にもかかわらず,その頻度は低く,リンパ節転移リスクはtubおよび未分化型腺癌に比し深達度を同一にするとより早期に転移を来す可能性が示唆された.またfStageIIにおいてのみ5年生存率の悪化を認め,早期にリンパ節転移を来したpap症例の予後は悪い可能性が示された.
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